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緑道を望む階段リビング
鎌倉の緑道に面したこの住宅は、ハイキングの人々との目線を考慮して1mほど持ち上げられた床が特徴です。深く長く延びた庇に護られた縁台が、ダイニングと緑道を繋ぎます。 このダイニングは、階段状のベンチの下に計画され、様々な使い方に対応できるだけでなく、日常的にも自由に居場所を選定出来るメリットがあります。1階から2階を繋ぐスキップフロアがベンチになったような、そんなダイニングです。キッチンの正面には緑道の紅葉を眺めることができ、客間を兼ねた畳の間からは桜を眺めることが出来ます。今はほぼ失われた縁台の懐かしく美しい風景が特徴です。 1階の洗面とトイレに向かう廊下は、陰影のある露地空間としてデザインしました。
豊かな自然を味わう悠々たる家
長年東京で仕事をしてきた建主ご夫婦が、退職後は自然に囲まれて暮したいと伊豆半島に住むことに。 周辺一帯が国立公園に指定されている自然豊かな場所に、約260坪と広々とした土地を得た。 建主が希望したのは、豊かな自然を受け止める大きな屋根と大きなリビング。 ダイナミックな大屋根は片流れにし、内部には外の自然とつながる大らかな空間をつくった。 1階LDKは、デッキテラスを介して芝生の庭とひと続きに。 大開口で内と外とが一体化し、自然を肌で感じることができる。 室内は木や和紙、畳といった和のしっとりとした質感を生かした、シックでモダンな空間。 大開口で外とつながり大きな吹き抜けのある、開けたリビングだが、リビング西側は天井が低くなり落ち着いた印象になる。 ただ開放的なだけではなく、ニュアンスのある表情豊かな空間となった。 細部にまでこだわりを実現したことで、周囲に広がる自然を存分に味わう洗練された空間が完成。 東京では味わえない、この土地ならではの空気を感じながら、穏やかな時間を過ごすことだろう。
石井秀樹建築設計事務所 東京都 建築家