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投稿記事
高梁川の東側にあたるこのエリアは、豊かな水に恵まれ昔から水田が拡がり、焼杉に漆喰壁の農家住宅が点在していました。近年幹線道路が整備され、市中心部へのアクセスが便利になったことにより、急速に住宅が立ち並ぶようになりました。この敷地は南北に住宅が迫っていますが、西側の土手方向には大きく拡がりがあり、この拡がりを住宅に取り入れることを端緒に設計を進めました。黒の下屋部分には水廻りを集め、また白の2層部分には各居室を集め、中央の吹抜け空間を介して南北明快に分けています。延床約28坪程度とやや小さめの住宅ですが、中央に大きな吹抜け空間を作ったり、各部屋をあまり間仕切らずに開放的な作りとすることで、28坪とは思えない程の拡がりを感じれるようにしています。外観はこのエリアに昔から佇む焼杉に漆喰壁の住宅の外観を踏襲し、歴史の延長線上に位置するデザインとしています。
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豊かな共用空間で3世帯を繋ぐ、大らかな住まい
両親と姉妹それぞれの世帯が暮す、”3世帯住宅”。 もともと姉夫婦が長男誕生後に実家で両親と同居しており、間もなく妹夫婦にも長女が誕生。 「みんなで実家で暮らせたら」との思いで、総勢8人が暮す3世帯住宅へと建て替えることになった。 敷地は南北に縦長く、面積は約47坪。 限られた広さだが、私室を小さく抑えて共用のスペースを広くとることで、狭さを感じさせないゆったりとした住まいとなった。 吹き抜けになった共用階段や子供用のスタディスペース、屋上テラスといった共用スペースを家の中央に配置。 1階は共用の玄関とご両親世帯の住居。 2階、3階は階段を中心にして、姉世帯と妹世帯の住居を南北に振り分けた。 1世帯あたりの占有面積は約15坪ほどになるが、共用スぺースにゆとりをもたせたことで広がりのある空間が実現。 吹き抜けにある子供用の書斎はどの世帯からも目に入る位置にあり、家族みんなで子供たちを見守ることができる。 休日は屋上のテラスでみんな一緒に食事をしたり、3世帯の共同生活を楽しんでいるのだそう。 各世帯のプライバシーはしっかり守りつつ、お互いの気配を感じながら程よい距離感を保って生活をしている。 家族が繋がり、家族みんなで子供たちの成長を見守ることができる大らかな住まいが完成した。
田口知子建築設計事務所 東京都 建築家