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投稿記事
天井や壁に用いた曲線形、あえて上部をつなげた間仕切り壁、壁から天井まで一体となった厚みのある左官のテクスチャー、これらのエレメントが組み合わさり、障子窓からのやわらかい光が、はっとするような陰翳のグラデーションを生み出す空間になりました。
53㎡というコンパクトな面積ながら、曲線によってシームレスで繋がる壁と天井に、間仕切壁の上部から回り込む光が、空間に奥行きをあたえています。
一面バルコニーの住戸のため一方向のみからの採光ですが、室内に充ちる光の表情はとても豊かで、意図しなかったたくさんの景色や発見があり、見ていて飽きません。
マンション共用部となる窓には手を加えられず既存のままですが、開口を設計できる新築案件以上に光や風景がデザインされるという逆説的な結果は、今後にインスピレーションを与えるような新たな発見でもありました。
株式会社アオイデザイン aoydesign 神奈川県 建築家
大胆な開口で空と緑をとりこんだ家
建て主の要望をもとに「開放的で楽しい“森の中の家”」をイメージして、この家をデザインした。 リビングを2階に配しその壁を大胆に開口して、敷地の向かいに広がる緑地の眺め取り込んだ。 コストを抑制するために木造とし、その通し柱を森の木々のように見立て、家自体を森の一部のように演出。 なだらかな斜面に位置する敷地の高低差を生かして、異なる箱をつなげたような遊び心のあるスキップフロアとした。
生駒の家
川添純一郎建築設計事務所 兵庫県 建築家
眺望と趣味のための多様な居場所
筑波山を眺望する丘の上にたつこの住宅は、眺望を得るための様々な居場所をつくっています。とりわけ、クライアントの多岐に渡る趣味が、様々な居場所をつくるためのきっかけとなっています。 ロードバイクの為の玄関土間、暖炉のための籠もれる場所、映像と音楽鑑賞のための半地下の籠もれる場所、吹き抜けに開放されたダイニングキッチン、眺望を全身で感じられる畳の間など。それぞれに適した空間と光の尺度を適用し、それに即した仕上げを選定しました。終日快適な時間が流れる多様な居場所のある住宅です。
夢前町の家
敷地は幹線道路から奥まった位置にあります。小さな集落内で、前面道路は数件の住宅の車の往来があるのみの静かな環境です。南面に小高い雑木林があり、室内からの眺望が期待されました。 外観はシンプルな総2階の切妻の形状です。外壁はテクスチャが強く出る、こて押えの仕上げを採用されました。 内部は吹抜けの階段ホールを中心に各階で、回遊できるプランです。階段ホールの上部には屋根からのトップライトがあり、建物の中心に位置しながらも明るい空間です。室内の中に更に、階段ホールという室内の外部、それ以外の室を室内の内部と設定し、変化のある空間を創り出しました。
川添純一郎建築設計事務所 兵庫県 建築家
森と川に向かうリビングとダイニング
崖に生えた大樹と、一方で河川に向かう眺望が開放的な住宅です。 この住宅では敬遠されがちな崖下の湿った空気感を取り入れるために、リビングは崖に向かって大きく開きました。さらに遠景が期待できる河川側には、印象的な天然木のカウンターを用いたダイニングキッチンが、まっすぐと眺望に向かって延びてゆきます。 それぞれの居場所にそれぞれの風景を割り振り、風景を最大限に活かす開口部のプロポーションに気を遣いました。。
9.9坪の敷地に建つ家
敷地面積9.9坪、前面道路の幅1.8mという厳しい条件の中で、延べ18坪の家族3人の為の家を作りました。工夫を凝らして、狭いことを逆手に取って豊かな空間が出来上がったのではないかと思います。
中庭が繋ぐ内部と外部の自然な関係を持つ住宅
市街化調整区域内に建つ住宅。 月極駐車場が近くにあるため、どの時間帯でも割と人通りがある場所。 建物と地域のつながりを完全に断ち切らないよう、穴あきブロックを使用し、 室内から中庭、外部へと柔らかく視線を繋いだ。 防犯面も考慮し、中庭からの通風と採光を確保している。 各部屋からは、中庭を眺められ、 植物や空を感じながら心地よく生活できる空間としている。 落ち着いた外観と室内構成により、しつらえの良い雰囲気を醸成させた。
ヨコイツトム建築設計事務所 愛知県 建築家
竹と格子が印象的な終の棲家
岐阜の郊外にたつ終の棲家です。老後の安心感は重要ですが、ともすれば閉鎖的になりがちな都市住宅に、適度の開放性と透明感を出そうと思いました。内部は全て障子に取り囲まれて、終日心地よいひかりに満たされます。奥さんのための書斎やダイニングやキッチンも、基本的にはワンルームですが、敷き瓦が敷かれたカウンターによって適度に分節されています。外観は格子と布袋竹と障子による奥行きと透明感が、街並みに趣を与えています。
居場所が見つかる眺望の間
傾斜地のてっぺんに建つ住宅です。傾斜地の特徴を活かしてスキップフロアーにして、レベルごとにいろんな居場所をつくりました。傾斜にとった階段テラスや、風景に開いた浴室、ベンチを作り付けた暖炉のあるダイニングなど。最上階には4方に風景を望める居場所があります。とりわけその一つは少しだけ床が彫り込まれた場所で大人も子供も心地よく居られる場所です。
境界線の変化が開放感を生み出した家
東京西部に位置するその住宅は、道路を挟んだ向かいに公営団地の緑地を臨む立地にある。 鉄骨梁を組み入れた木造軸組構造で頑丈につくられた、築35年木造住宅の改築である。 将来的に家族の人数が変わることを見据えたうえで、間仕切りを減らした開放的な空間にしたいというのが施主の希望だった。 第一種低層住居専用地域という住みやすい環境でありながら、幹線道路沿いに位置し近隣との距離も近く、圧迫感を感じやすい立地だった。そのまま住むには閉塞感がありすぎた為、解決策として内と外の境界を平面のレイヤー状に再構築した。 道路側の高塀を無くし、代わりに樹木を植えて縁側を設置。 境界線を引き直すことで圧迫感を排除し、外に開きながらも道路からの視線をカットしている。 元々使われていた木下地や銅縁、ベニヤなど使えるものは残しつつ新たな息吹を吹き込んだ。 既存と新設を併用することで風の抜けや緑をより近くに感じられる家になり、以前よりも奥深い住環境を手に入れることができた。