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投稿記事
天井や壁に用いた曲線形、あえて上部をつなげた間仕切り壁、壁から天井まで一体となった厚みのある左官のテクスチャー、これらのエレメントが組み合わさり、障子窓からのやわらかい光が、はっとするような陰翳のグラデーションを生み出す空間になりました。
53㎡というコンパクトな面積ながら、曲線によってシームレスで繋がる壁と天井に、間仕切壁の上部から回り込む光が、空間に奥行きをあたえています。
一面バルコニーの住戸のため一方向のみからの採光ですが、室内に充ちる光の表情はとても豊かで、意図しなかったたくさんの景色や発見があり、見ていて飽きません。
マンション共用部となる窓には手を加えられず既存のままですが、開口を設計できる新築案件以上に光や風景がデザインされるという逆説的な結果は、今後にインスピレーションを与えるような新たな発見でもありました。
株式会社アオイデザイン aoydesign 神奈川県 建築家
- コの字型
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中庭をコの字で囲った、光と風に満ちた家
定年間際のご夫婦と長男、長女、大人4人のための住まい。 以前は伝統的な和風の家だったが、敷地の南側には5階建てのマンションが建ち、日が遮られるうえに外部からの視線も気になるように。 老朽化が進んできたのを機に、明るく風通しの良い住まいへと建て替えることとなった。 余裕のある敷地の一部を、5台分の貸し駐車場にすることも条件のひとつ。 そこで、中庭をコの字型の建物で囲み、外からの視線を遮りつつも中庭から光と風を取り込むプランを提案。 生活時間が異なる長男の居室は2階の離れに配し、勝手口を設けて独立させた。 キッチンに立てば1階にいる家族や愛犬の様子が見渡せ、家族の気配を感じられる。 コの字型の住まいを回遊すると、途中で中庭の緑や変化に富んだ光が目に入り、清々しい。 周辺の視線を気にすることなく自然を享受できる、居心地の良い住まいが完成した。 定年後は絵を描いたり、自由な時間を存分に過ごしたいと話すご主人。 光と風に満ちた住まいで、新しい生活への夢を膨らませている。
瀧浩明建築計画事務所/studio blank 東京都 建築家