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- ワンルーム
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3つの庭を配した、緑溢れる街路のような家
駅が近く便利なエリアにある、夫婦ふたりが住まうための平屋。 利便性は高いが周囲に自然が少ない住宅地のため、プライバシーを守りつつ住まいに緑を取り込みたいと考えた。 そこでイメージしたのが‟街路”。 食事や読書、休憩など住み手がその時々に場所を選択し、自由に過ごせるように部屋の役割を曖昧に。 延べ床面積約126㎡の内部空間には間仕切りを設けず、主空間と居室との床レベルや床の材質を変えて緩やかに空間を分けた。 そのワンルーム空間に緑をもたらすのが、ガラスに囲まれた大小3つの庭。 それらの庭を囲むように各居室が配置されており、中庭を軸として8の字に回遊できるようになっている。 緑溢れる家の中で過ごすと森林を散策しているような心地よさがあり、ここが住宅街であることを忘れてしまう。 まるで自然の中で暮らしているかのような、自由で伸びやかな住まいとなった。
石井秀樹建築設計事務所 東京都 建築家
ふたつの「庭」が海沿いの空から光を届ける家
海の絶景と伝説地の石川県加賀市尼御前に建つ家。海沿いの町特有の敷地だが、高速道路に挟まれているうえ、西面以外は隣家が差し迫っている。 そのような環境で建てられた住まいは、光が取り入れられる西面に大きく開口部を設け、建物の北西部分と南東部分を隅切りし、ふたつの庭を設けた。 西面の高さを抑えつつ設けた開口部からは、高速道路越しに加賀の橋立を望む事が出来る。 隅切りで設けられた庭の北西部分は、隣接している親戚宅のサンルームへの光を妨げない仕組みになっている。反対側の南東部分の隅切りは、車3台分の駐車場を確保するためのスペースを兼ねたものだ。 このふたつの部分に設けられた庭によって、明るさを十分に取り入れ通気性も確保。プライバシーを保ちつつ、閉塞感の感じられない住まいを実現させた。 「庭」から光が溢れる2階部分はLDKをワンルームとし、天井は屋根の架構をそのままに生かした。梁の大きさを抑えつつ、垂木の架け替えによって庭の反射光をより優しく取り入れることが出来た。 1階部分はポーチ、テラス、玄関を中心とした造りとし、周りに寝室、仕事部屋を配し、よりよい動線を確保。 コンパクトにまとめられた住まいは海沿いの街並みと調和した造りとなった。 ふたつの「庭」によってもたらされたのは、展望や内外部だけではなく尼御前の伝説そのままの風景と空をも取り入れた住まいである。