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投稿記事
天井や壁に用いた曲線形、あえて上部をつなげた間仕切り壁、壁から天井まで一体となった厚みのある左官のテクスチャー、これらのエレメントが組み合わさり、障子窓からのやわらかい光が、はっとするような陰翳のグラデーションを生み出す空間になりました。
53㎡というコンパクトな面積ながら、曲線によってシームレスで繋がる壁と天井に、間仕切壁の上部から回り込む光が、空間に奥行きをあたえています。
一面バルコニーの住戸のため一方向のみからの採光ですが、室内に充ちる光の表情はとても豊かで、意図しなかったたくさんの景色や発見があり、見ていて飽きません。
マンション共用部となる窓には手を加えられず既存のままですが、開口を設計できる新築案件以上に光や風景がデザインされるという逆説的な結果は、今後にインスピレーションを与えるような新たな発見でもありました。
株式会社アオイデザイン aoydesign 神奈川県 建築家
- スカイコート
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空に向かって開いた、都心の中の異空間
建て主の祖父の代から3代続く製本工場を、オフィスを兼ねたSOHOスタイルの住居へとリフォーム。 この家があるのは都心のオフィス街で、昼夜を問わず人や車が通行する。 建て主は、周囲からの視線を完全に遮る、プライバシー確保を最優先とした住まいを希望。 もともとあった通りに面した出窓を取り払い、道路面は白い壁でふさいで視線をシャットアウトした。 とにかく周囲に対して閉じた空間を希望する建て主に対し、プライバシーを守りながらも外の自然との接点を持った住まいを提案。 空と繋がることで外の自然を取り入れようと、屋上には壁に守られた「スカイコート」をつくった。 3階部分はバスルームと、それに面したスカイコートのみの贅沢な空間。 バスルームの窓はコートに向かって全面開口でき、格別な開放感を味わうことができる。 スカイコートにはふたつのトップライトを設け、主空間である2階に自然光を届ける。 2階はほとんど窓のない閉じた空間だが、空から取り込んだ光によって閉塞感のない場所となった。 空に対してのみ開くことで自然を取り入れ、都心の喧騒を忘れさせるような異空間が完成した。