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投稿記事
天井や壁に用いた曲線形、あえて上部をつなげた間仕切り壁、壁から天井まで一体となった厚みのある左官のテクスチャー、これらのエレメントが組み合わさり、障子窓からのやわらかい光が、はっとするような陰翳のグラデーションを生み出す空間になりました。
53㎡というコンパクトな面積ながら、曲線によってシームレスで繋がる壁と天井に、間仕切壁の上部から回り込む光が、空間に奥行きをあたえています。
一面バルコニーの住戸のため一方向のみからの採光ですが、室内に充ちる光の表情はとても豊かで、意図しなかったたくさんの景色や発見があり、見ていて飽きません。
マンション共用部となる窓には手を加えられず既存のままですが、開口を設計できる新築案件以上に光や風景がデザインされるという逆説的な結果は、今後にインスピレーションを与えるような新たな発見でもありました。
株式会社アオイデザイン aoydesign 神奈川県 建築家
- 多世帯住宅
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豊かな共用空間で3世帯を繋ぐ、大らかな住まい
両親と姉妹それぞれの世帯が暮す、”3世帯住宅”。 もともと姉夫婦が長男誕生後に実家で両親と同居しており、間もなく妹夫婦にも長女が誕生。 「みんなで実家で暮らせたら」との思いで、総勢8人が暮す3世帯住宅へと建て替えることになった。 敷地は南北に縦長く、面積は約47坪。 限られた広さだが、私室を小さく抑えて共用のスペースを広くとることで、狭さを感じさせないゆったりとした住まいとなった。 吹き抜けになった共用階段や子供用のスタディスペース、屋上テラスといった共用スペースを家の中央に配置。 1階は共用の玄関とご両親世帯の住居。 2階、3階は階段を中心にして、姉世帯と妹世帯の住居を南北に振り分けた。 1世帯あたりの占有面積は約15坪ほどになるが、共用スぺースにゆとりをもたせたことで広がりのある空間が実現。 吹き抜けにある子供用の書斎はどの世帯からも目に入る位置にあり、家族みんなで子供たちを見守ることができる。 休日は屋上のテラスでみんな一緒に食事をしたり、3世帯の共同生活を楽しんでいるのだそう。 各世帯のプライバシーはしっかり守りつつ、お互いの気配を感じながら程よい距離感を保って生活をしている。 家族が繋がり、家族みんなで子供たちの成長を見守ることができる大らかな住まいが完成した。
田口知子建築設計事務所 東京都 建築家