HouseNote

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久保田正一建築研究所

建築家

静岡県

house-mz

建物がコンパクトに計画されたため、敷地全体に余裕が生まれている。陽光も各部屋にくまなく廻りこむ。ただ、ここで留意すべきはプライヴァシーである。マンションやビルの建つ市街地は、道路レベル以外に「上空からの視線」もある。大きな窓を各面に設置すれば採光と通風は確保できる。だが、この事実とは裏腹に、誰かに見られているかもしれないという不安にかられる事にもなる。計画では、この「見られているかもしれない」という気持ちを和らげるため、窓はできるだけ小さめの窓とした。ただし、数多く配置した。たとえば、西面は各フロア縦2段の窓を3層にわたって配置しているが、これにより、採光と通風に必要な面積を確保しつつ、内部で動く人のシルエットは外からわかりにくくなっている。また、絶対に見られることのない窓=トップライト=は、「抜けのよい空間」を創る事の最大かつ最高の要素として、光と風を日々コントロールしている。加えて、駐車場背面に桟橋のように突き出た部分にはウッドデッキ(san-bashi)を敷きこむ事でリビングと一体化し、パーティー・スペースとして活用できる象徴的な場となっている。