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光と影が織りなす、表情豊かな住まい
都内の住宅密集地に建つRC造住宅。
敷地は道路から1mほどレベルが下がったところにある変形土地で、西側は道路に面し、そのほか3方向は隣家に囲まれている。
外壁は敷地の形に合わせて2層に配置し、道路と敷地のレベル差はスロープでつないだ。
敷地のコーナー部分の3か所には坪庭を配置。
外壁によってプライバシーを確保しつつも、外に対して開いた住まいをつくった。
コンクリートに守られた外観に対して、内部には光の移り変わりによって表情を変える豊かな空間が広がる。
道路から伸びたスロープを進むと現れるのは、光量をぐっと抑えた静謐なエントランス。
その先にあるリビングダイニングは、変化する光の動きを映し取るような温かい空間。
櫛引きの壁、黒のコルクタイルの床、タモ材のキッチンと、それに合わせて造作した木のダイニングテーブル、様々な素材が、テラスとトップライトからの自然光を受けてやわらかな表情を見せる。
季節や時間によって微妙に変わる光によって浮かび上がる素材感は、住まいに風情と温もりを与える。
陰翳に富んだ、趣ある住まいが完成した。
西側外観
敷地の形状に合わせて外壁を配置。
道路から伸びる緩やかなスロープを下ると、エントランスが。
スロープの右手の壁には、丸いガラスブロックが散りばめられている。
エントランス
街の喧騒を忘れさせるような、ほの暗く落ち着いた印象のエントランス。
壁の向こうには、エントランスとは対照に光に富んだリビングダイニングが。
リビングダイニング
住まいのコーナー部分に3つの坪庭をつくり、リビングダイニングから望む庭はそのうちのひとつ。
小さな丸のガラスブロックがランダムに配置された櫛節引きの壁は、日の当たり具合によって表情を変える。
床はシックでありながら温かみのある、黒のコルクタイル。
ダイニングにはキッチンと一体化させるように造作したテーブルが。
リビングダイニング夕景
日が落ちると、日中とは異なる落ち着いた印象に。
抑えめのライトが、木の質感やコンクリート、コルクタイルが持つ表情を浮かび上がらせる。
リビング
櫛引きの壁はテラスまで伸び、内と外との一体感を生んでいる。
1階から階段を見上げる
櫛引きの壁に沿って浮かぶように配された階段は、光に向かって伸びているかのよう。
2階
階段の上部にはトップライトを設けた。
2階居室
スチールのスクリーンが切り取る風景は、動くたびに変化を見せる。
屋上へと続く階段
屋上に向かう階段を箪笥としても使えるようデザイン。
細いアイアンの手すりがアクセントに。
パウダールーム
パウダールームとバスルームの間はガラスで間仕切り。
洗面台の前の開口はフロストガラスで、優しい光を取り込んでいる。
大人用の大きな鏡と子供用の小さな鏡、ふたつの丸が並んだ姿が印象的。