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並木の緑を取り込んだおおらかな家
川の土手に面して建つ家。
土手の上の街道沿いには、高さ18mもの大木が並んで見事な並木をつくりだしている。
大木が立ち並ぶ道路は家の2階レベルにあたり、1階部分は木の陰になって採光が見込めない。
道路の騒音と視線をカットしつつ、いかに外部の自然を取り込むかが課題となった。
そこで、LDKは明るく並木の緑が見える2階に配置。
並木の見える2階北西側は全面が窓となっており、窓いっぱいに緑が広がる。
窓の外のテラスには大人の目線ほどの高さのある腰壁を設け、道路が隠れるようにした。
1階部分には個室や水回りを配した。
1階の玄関土間は約6mの大きな吹き抜けになっており、住まい全体に一体感をもたらしている。
内部は自然素材に包まれた、おおらかな空間。
柔らかな質感のパイン無垢材の床、粗めに仕上げたモルタルの左官壁や、テラスや土間には、雨に濡れると緑色に変化するスレートを取り入れた。
そんな素材感溢れる空間を、リズミカルに連続した山型の登り梁が包み込む。
素材の味わいを感じられる住まいの中から見えるのは、空と並木の緑。
森の中で暮らしているかのような、心地良い住まいが完成した。
並木道から見た外観
敷地の正面に土手があり、土手の上の道路には大木が立ち並ぶ。
並木の借景を生かした住まいを計画した。
外観
プライバシーを確保し騒音を防ぐため、外部に対して閉じた外観。
屋根の形は伝統的な勾配屋根でなくてはならないという地域の規定に則り、三角屋根に。
リビングからテラスを見る
2階LDKから、テラスを介して並木の緑を望む。
大木の枝葉が悠々と広がる景色を、家型の窓がダイナミックに切り取っている。
テラスの腰壁は大人の目線ほどの高さがあり、道路が完全に隠れるようになっている。
テラスの床と壁はスレート張りで、雨が降ると緑色に変化する。
2階リビング
連続する登り梁に覆われた、おおらかな空間。
床は柔らかいパイン無垢材で、子供が転んでも安心。
空間のアクセントともなっている黒い壁によって、リビングと予備室を緩やかに仕切っている。
玄関土間
玄関から続く広々とした土間は多目的なスペース。
土間には2階テラスと同じスレートを採用した。
高さ6mの吹き抜けとなっており、1階と2階を繋いでいる。
1階バスルーム
バスルーム、パウダールームにも木や石といった自然素材を取り入れ、温かな雰囲気に。