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斜めに配した中庭が、内と外、そして家族を繋ぐ
住宅地に建つ、シンプルモダンな平屋のコートハウス。
建物を正面から見ると至ってシンプルな白い箱のようだが、上空から住まいを見下ろすと、普通のコートハウスとは違うのがわかる。
「一体感のある平屋で、手入れの必要のない庭を」というのが建て主の希望。
さらに、これまでマンションや2階建ての戸建に住んできた建て主の暮らしを聞いていくうちに、仕切りのないオープンな空間を求めていることが分かった。
そこで、中庭によって内部空間が分断されないよう、庭を建物の中心部分に斜めに配置。
長方形の建物に対し、22度ひねって中庭を配した。
そうすることで、内部空間には部屋と部屋を繋ぐ「廊下」という場所がなくなった。
全ての空間は居室となり、住まい全体が家族のための居場所になる。
玄関を入ると、LDK、子供室、書斎、寝室へと、中庭のコーナーを曲がるごとにプライベート感が強くなる。
全ての居室は中庭と繋がり、中庭の窓をフルオープンすると内と外とが一体化。
ウッドデッキの中庭は部屋と部屋を繋ぐ通路にも、第二のリビングにもなる多目的な場所となっている。
家族を繋ぎ、外と繋がる、オープンな住まいが完成した。
外観
上空から俯瞰した外観。
白い箱の真ん中に斜めの穴が開いているように見える。
長方形の建物に対して22度傾けて、長方形の中庭を配置した。
テラス俯瞰
ウッドデッキを貼った中庭は、6畳ほどの広さがある。
中庭からリビングを見る
部屋から見えるのは、テラスと青空。
木目と白を基調とした空間のなか、空の景色もインテリアの一部になる。
リビング
玄関を入って最初に現れる居室はリビング。
廊下などのデッドスペースがなく、住まい全体が部屋になった。
リビングから寝室を見る
中庭を介して、部屋から部屋へと視線がつながる。
中庭はリビングの延長にも、部屋と部屋とをショートカットする通路にもなり、半室内という感覚で使っている。
雨戸を閉めたリビング
外部からの視線を気にする必要がないので、中庭の窓にカーテンはない。
その代わり横にスリットが入った雨戸を設け、全てを閉じると完全に内外が分離する。
日差しが強い日には程よく光を通す日よけにもなり、スリットから風が通るので夏でも快適に過ごすことができる。
ダイニング・キッチン
ダイニングチェアとして奥様が選んだYチェアを中心にインテリアの色合いや素材を考えた。
床にはバーチ材、天井にはラワンのベニヤを使用。
白と優しい木の色合いがマッチした、やわらかな印象の空間になった。
ダイニングテーブルは空間に合わせてデザインしたオリジナル。
ダイニング・キッチン
キッチンの窓やハイサイドライトから、隣地の緑を借景。
周囲に緑が多い環境にあるため、中庭には植物を植えずウッドデッキを貼った。
ベッドルーム
玄関からLDK、子供室、書斎を介して寝室へとたどり着く。
庭のコーナーを曲がるたびに、プライベートな場所へと移動するように。
庭によって開放感があるが、少し籠れる場所となっている。
和室
和室は、玄関から直接入ることができる隠し部屋のような場所。
奥様が開いている塾の教室にもなり、客間としても使える。
スイッチプレート
斜めの中庭に倣ってスイッチを斜めに配置した、遊び心のあるスイッチプレート。
正面から見た外観
正面から見ると、シンプルモダンな平屋。
外側に窓が少ないため静かで、プライバシーも確保。