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外に閉じ内に開く、光と視線が通る家
郊外の市街地調整区域に建つ家。
周囲には田畑や雑木林などの自然が残っているが開発されつつもあり、今後周囲の環境は大きく変化する可能性がある。
建て主の最大の要望はプライバシーを確保し、かつ開放的な家。
ほかにも、個性的な外観や、将来建て主夫婦それぞれの両親が同居できることなどが求められた。
外部からの視線をカットしつつ内部に開放的な空間をつくるため、「外に閉じ内に開く」構造に。
堅固な外壁の内部には、思いがけないほどの軽やかな空間が広がっている。
鉄筋コンクリートの外壁でプライバシーを守り、その内部には木造の箱を適度な距離を保ちつつ、上下左右に配置。
上下の箱は直接重ねるのではなく40cmほど隙間をあけ、左右の箱の間にはオープンスペースを設けた。
上下の間のスリットと箱と箱の間の開けたスペースによって、視線や光が通る開けた空間が完成。
スリットから視線が抜け、ほかの部屋に居る家族の気配を感じることができる。
プライバシーを守る外部と視線が通り抜ける開放的な内部、どちらも両立した住まいが完成した。
外観
鉄筋コンクリートの外壁ですっぽりと覆い、プライバシーを確保。
コンクリートはあえて継ぎ目がわかるよう仕上げ、荒っぽく、力強く。
リビング
複数の「箱」が距離を保ちつつ点在しているのが分かる。
箱と箱の間に距離を置くことで、視線や光が通る開放的な空間を実現。
リビング
高い吹き抜けの開放的なリビング。
箱状の居室にはそれぞれスリットや開口があり、家族の気配を伝えている。
リビングからキッチンを見る
大きな開口のある箱にキッチンカウンターを設け、対面式キッチンに。
キッチン上部のスリットからは2階主寝室の様子をうかがうことができる。
階段
2階には主寝室や子供室を配置。
吹き抜けやスリットで、住まい全体が緩やかにつながっている。
中庭
大開口で、外部からの光を室内に採り入れる。