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LDの周囲を居室で囲った「重なり」を感じる家
12.6m四方の、白い箱のような平屋の木造住宅。
区画整理事業が継続している開発地に土地を得た建て主は、「終の棲家」として、畑があり、友人たちが泊まることができる家を希望した。
約150坪の敷地のうち半分は野菜作りを楽しむための庭。
敷地の東側に畑を、西側に建物を配置した。
住まいの中心に置いたのは、天井高3.6mの開放的なリビングダイニング。
リビングダイニングの周囲を囲むように、寝室や客間、水回り、テラスといった空間を配置した。
リビングダイニングと周辺空間の間には引き戸はあるものの、仕切り壁がなく、風車の羽根のように周辺空間が取り付いている。
周辺空間は、リビングダイニングと外部との緩衝スペースとなっており、リビングダイニングを守っているよう。
光や風、音や外の景色は、周辺空間を通ってリビングダイニングに入ってくる。
逆に周囲の個室からリビングダイニングに入ると、家の中に「広場」が現れたかのような開放感を抱く。
隣接する空間が重なり合って見えることで方向感覚や前後感覚を失い、空間の奥行きを意識する。
周囲の部屋を通って入ってくる光や風は穏やかで柔らかく、従来の家にはない不思議な感覚になる。
住む人の世界を広げるような住まいとなった。
南東側外観
150坪の敷地のうち、半分が箱型の建物、半分は菜園をするための庭。
開発地にあるため、周辺環境は今後変化していく可能性がある。
南側外観
12.6m四方の、白い箱のような平屋。
シンプルでミニマルな、現代アートのような外観。
庭
畑となる庭に面した白い建物(写真右)は、外トイレもある物置。
玄関
西側に玄関を配置した。
リビングダイニング
住まいの中央に位置するリビングダイニング。
周囲をキッチン、水回り、個室、テラスに囲まれている。
周辺を空間に取り囲まれているものの、天井高が3.6mあり、仕切り壁がないため広場のような開放感がある
ダイニングからリビングを見る
周囲を居室に囲まれているが閉塞感がなく、外に意識が向かう。
リビングダイニング
外部からリビングダイニングに入る光や風は周辺空間によって和らぎ、落ち着いた空間を作り出す。
キッチン
ダイニングから続くキッチン。
引き戸で間仕切ることもできる。
リビングダイニング
花をモチーフにした壁紙を貼った引き戸やカーテンを閉めると、ギャラリーのような空間に。
個室
右はご主人の、左が奥様の個室。
リビングダイニング
リビングダイニングの周囲には3つのテラスがある。
個室からテラスを見る
半屋外空間であるテラスを通して、居室から居室へ視線が抜ける。
テラス
個室に面したテラス。
和室
客間となる和室。
テラス
テラスの階段は屋上へとつながる。