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和を感じさせる、茶筒のようなコンパクトな家
新旧の家々が立ち並ぶ密集地に建つ、50代のご夫婦が暮らす家。
建て主はもともと木造平屋に住んでいたが、ご両親が高齢になって介護の必要性が高まったためご主人の実家の敷地内に新居を構えることに。
母屋の日当たりや風通しを妨げないよう、母屋の北側に建坪を10坪にしぼって3階建てにすることになった。
ガルバリウム鋼板に包まれた3階建ての家は、茶筒のように見える。
3階建の耐震性の確保のためバランスのよい耐震壁の配置とすることにした。「里道」と呼ばれる幅2mほどの小さな道路以外は隣家に囲まれているので、プライバシーを守りながら穏やかな光環境と良好な風通しを得るため、正方形の筒の四方の角を切り落とした「隅切りのかたち」とした。
1階には和室と水回りを配置。
2階にはLDK、眺めの良い3階には2間の和室と、トイレと収納を配置した。
住まいの中心に配した緩やかな勾配の階段は、1階から3階を結ぶ大動脈になると同時に、ワンルームの空間のほどよい仕切りとなっている。
内部空間は、和を感じさせる落ち着いた空間。
縦格子をモチーフにした建具、古色の紅柄塗装を施した木部、白い壁…昭和初期の家を思わせるノスタルジックな空間に、手持ちの古い家具や丁度がしっくり馴染む。
カットされた四隅の窓から程よい風と光が入り、夏はエアコンが必要ないほど過ごしやすい。
光と風が通り抜けるコンパクトな住まいで、心落ち着く暮らしを楽しんでいる。
外観
新旧の家が並ぶ街の中に建つ、ガルバリウム鋼板に包まれた家。
外観
正方形の四隅をカットし、その部分にのみ開口部を設けることで、周囲からの線をずらし、プライバシーを確保した。
玄関も隅切りした面に配置。
玄関
板敷のポーチと連続した、木製の玄関土間。
階段から土間を見る
家の大動脈である、緩やかな勾配の階段。
2階ダイニング
窓に面した眺めの良いダイニング。
ペアガラスの入ったアルミサッシの両側には、はめ殺し窓が。
格子越しにダイニングを見る
天井と床は杉板、壁にはエコフラットを塗った。
薄日が差すような、落ち着いた空間。
3階和室
2間続きの和室には縁なしの畳を敷いた。
和室
階段室と和室は格子で間仕切り。