- Like!
- 1
大開口の窓がつくりだす平屋の新しいかたち
島根県は出雲平野に位置し、広大な田園が広がるロケーション。
この100坪ほどの敷地から見える風景を住居の中に取り入れたい、というのが30代の施主夫妻の希望だった。
この恵まれた眺望を暮らしの一部に取りこむため、大きなピクチャーウィンドウを構えることにした。
玄関からまず目に入るのは、両側に大きくひらけた開口部。
どこにいても光が入り、風通しの良いおおらかな雰囲気となっている。
部屋を仕切る壁や柱のないシンプルな間取りであるが、寝室の床を80cm下げることで生活動線にメリハリをつけ、プライベートな場をつくりあげた。
開口部が道路に面しているため往来の視線が気になるところだが、LDKを高くして既存の防風林の上に窓をあつらえることで、プライバシーに配慮。
日当りの良い南側は、家庭菜園やガーデニングを楽しめるようスペースを大きくとった。
焼スギの外観に映える白いテラスは、家族が庭の畑を眺めるための絶好の特別席となっている。
けして広くはない住宅でありながら、邸内の高低差と景観を最大限に生かした結果、降り注ぐ光と風が気持ちのいいミニマムかつ快適な室内空間がうまれた。
南東から見る
窓越しに抜ける眺めが心地よい庭からの眺め。
大きな窓で山並みを飾る。
北西外観
もともと植わっていたカイヅカイブキも外構として生かす。
腰壁にすることで外からは見えず、内からは景色を充分に楽しむことができる。
西側から見る遠景
目の前には壮観たる出雲平野。
あえて道路側に寄せて建てることで、南側に広い庭と駐車場スペースを設けた。
北西から見る遠景
宅地と自然に囲まれる立地。
存在感がありながらも周囲に馴染む濃灰色が、緑のグラデーションの中で一層引き立つ。
玄関からの眺め
二面に配した開口部が印象的なLDK。
右側は寝室、奥の壁の向こう側にキッチンなどのサニタリーがまとめられている。
リビング・ダイニング
リビング・ダイニングからの眺め。
幅9mの横連窓からの借景により、空間が無限に感じられる。
リビング・ダイニング
パーテーションの役割も果たすアイランド型の収納。
リビング・ダイニング側は本棚や食器棚として、寝室ではクローゼットとして使用。
寝室からの眺め
寝室スペースは棚と床の低さを利用し、プライバシーと開放感を両立させている。
南東外観
広い庭に面した南東外観。
庭先には家族が収穫を楽しむ畑がある。
収穫台や物干などの役立つテラスは、四季折々の風情を感じる場としても活躍する。
南東外観夕景
黄昏時、室内灯のあかりが優しく浮かび上がる。
この素晴らしい景色と常に隣合わせる生活こそが、この家に住まう一番の醍醐味となる。