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都心で”大きな屋根の大空間”をもつ「離れ」
都内の多摩川沿い、高台にある敷地。
隣人の引越しによって購入した土地は、自身の家から続く庭づくりの計画だったが、ホームパーティーをすること、人を招くことの多い施主のライフスタイルから大きな庭を持つバーベキューハウスをつくるに至った。
建物は9坪の広さである「屋内」とほぼ同じくらいの大きさの「軒」をもつ。開口部の引き込み、大きなガラス戸を開けると、内と外がつながって庭の緑が内に入り込み、大空間が生まれる。
張り出した軒は風雨にさらされて傷んでくることを考慮して、国産の4角寸と3角寸のスギが用いられている。違う形の無垢な木材を組み合わせることで、天井に陰影をもたらしつつ素朴な重厚さが残されている。
大屋根は、建物の両端に配されたコンクリート壁を鉄骨でつなぎ、スチールの柱で軒を支える。
隣に建つ母屋を木のデッキでつなぎ、母屋と離れが連続している。このバーベキューハウスはホームパーティーを行う場としての最小限の機能にとどめられ、都心での慌ただしい暮らしの中、いつでも清々しい「離れ」に身をおくことができる。
非日常的空間を味わうことのできる「都市の別荘」としての役割を担う「離れ」である。
庭より外観をみる
敷地に広がる西側の庭。
住まいの隣の敷地を購入し、人々が集まりバーベキューなどをして過ごす「離れ」をつくる。大きな庭はもともとあった松の木や緑を残した。屋根全面には太陽光パネルを設置。
デッキより東側を見る
デッキ西側から母屋を見る。
両端のコンクリート壁を繋ぐ木槧とスチール柱が、デッキの上に持ちだされた3,500mmの軒を支えている。室内だけではなく、軒の下にもキッチンを設けている。
デッキから建物を見る
屋外のデッキとダイニングはほぼ同じ高さで連続し、ほぼ同じ9坪の空間を持つ。高さを380mmあがった和室を設けている。
ダイニングの天井はスギの目透かし張りとなっており、デッキ部分は4寸角と3寸角の木材を組み合わせている。
外観
母屋側から見る。
東側の擁壁。デッキによって母屋とバーベキューハウスをつないでいる。
敷地東側をみる
東側の腰壁は、持ち上げた和室の高さと揃えられた。キッチンと一体となって、人々が囲うように集まる空間となっている。
キッチンから室内をみる
和室の後ろの壁は木組となっている。右手の扉から水回りに繋がる仕組みとした。