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小屋と母屋をアトリウムで繋いだリフォーム住宅
今回の計画は、大正初期から昭和中期にかけて建てられた、築100年オーバーのリフォームだった。
木造伝統工法の「牛小屋」、両親が暮らす「母屋」、そして賃貸長屋が露地を介して建っていた。
この3つの建物を繋ぐ「露地」を重視した施主は、建物内に露地を引き込むことによってこの3つの「箱」をひとつの「集合体」として繋ぐことに。
リビングルームとなった元「牛小屋」、賃貸長屋棟はダイニングキッチン、2階は寝室とクローゼットとした。古き伝統の土壁や漆喰は出来る限り復旧し、足りない素材は現在のものを使用している。
露地部分を木造平屋として増築しひとつになった建物は、露地を介して視線が程よく抜けて繋がる。露地の床はマットブラックの600角磁器質タイル張り。ポーチから浴室まで直線に張り上げることで、外部と内部の曖昧さを造り出し、露地の存在感を現した。
「箱」が連結する中心部の屋根葺きは透明とし、アトリウムを配して南北に繋がる空間に採光を落とし込んだ。
現在暮らす施主夫婦と両親の2組の親子にとって、このリノベーションは建物を「親子」として共存する住まいとなった。
古くからなる三つの異なる木造住宅。地域性の中で伝統的なフォルムと素材を変えないことは、緊張感を持ちながらも新鮮な、威厳のある風格の「一体化」した建物となった。
リビング
施主の築100年になる自宅をリフォームした、ホールからリビング、玄関を見るアトリウム。
敷地内の露地だった床はマットブラックの600mm角磁器質タイル。
3つの建物を木造平屋で繋ぎ一体の建物とした。
アトリウム
既存の外部は建物を繋ぐアトリウムとした。
セメント瓦礫を積んだ腰壁と薪ストーブが印象的。
明るさを取り入れた屋根はポリカーボネート折板。
ホールから和室を見る
母屋への和室は、ホールの引き戸を開けると繋がっている。
2階ベッドルーム
既存の2階賃貸長屋棟の2階は寝室、クローゼットとして設けられた。
床はスギ無垢フローリングが新設され、天井は既存の野地板にOP塗りをして仕上げた。
壁は既存の壁であった土壁と漆喰を再生した。
リビングルーム
リビングルームは既存の「牛小屋」であった場所。
2階部分の床を撤去し、スギ無垢フローリングの床を敷いた。
一部はアルミサッシが使われている。
外観
国道沿いから見る、南側外観。
既存の母屋は右側、「牛小屋」は右側であった。
増築し、玄関を設けたことでひとつの建物として繋いだ。