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軽井沢の森に静かに佇む、自然と生きる住まい
軽井沢・鹿島の森に経つ住宅。
長い間海外での仕事を終えた施主夫妻は、新たな居住地として軽井沢を選んだ。季節のよい春から秋までの住宅である。
敷地は太くて高い木々が林立した森の中にある。そこでこの森に相応しい、静かな存在感を建物に取り入れながら自然の森に佇む住まいが計画された。
敷地には高低差がある。森の中にあるほんの少し地面が低い光の明るい場所に母屋を配置。母屋は高床式で屋根は高勾配とした。さらに敷地内の各所にとどまらず外観からのアプローチも行った。
母屋内部は玄関からホールの左手をLDKなどのパブリックスペースとし、右手は書斎、浴室や寝室を配した。右手は奥に行くほどプライベートな空間とし、それぞれの部屋において天井の形状や高さをコントロールさせた。
既存の樹木を避けるように雁行型に配置した離れは、床を低く、天井は低勾配とした。冬の積雪を考慮しつつ、和風に仕上げた離れである。
かつては明治時代の植林地で、それ以前は原野だったこの地はあたかも、そもそもの森のよう。それに呼応するように新築されたこの住まいも、時間経過の中で動じない様を見せてくれることだろう。
外観
高勾配の屋根が架けられた東側外観。
玄関からホールを通じて、西側の森まで視線が抜ける。
テラス
母屋の南側にあるテラス。
南東域の切妻屋根の短形ヴォリュームである軒下空間から、L字型にデッキが続くように繋がっている。
東側には敷瓦による屋外テラスを配置。軒を支えるのはヒノキの丸太。
建具を開放した離れから母屋を見る
建具を開放した離から和室を見る。
和室には関西から調達された造作材を使用。
離れを見る
雁行型の離れ。
手前は和室となっている。
母屋と離れを見る
敷地南西部から見た母屋と離れ。
それぞれ高低差のある敷地に建っている。
外観
木々のある敷地の北西部から母屋をみる。
屋根だけが見えるようになっている。
ダイニング
切妻屋根の内部空間は最高天井高5993mmと開放的。
左側のヴォリュームには食品庫とキッチンが配されている。
書斎・アトリエ
中央の拭き漆で仕上げたワイン収蔵庫には階段でアクセス。
奥は家事室、納戸が配されている。
寝室
メインの寝室。
外に広がる光緑が見える。
離れ玄関
最高天井高4227mmの離れ玄関。
浅間石が敷かれ、鉄平石飛石が置かれている。
浴室
浴室は十和田青石張り。
開口部からは北側の景色が味わえる。
広緑
広緑の光や視線の制御は、ルーパー状の折れ戸でコントロールする仕組み。
母屋の夕景
東側から見た母屋の夕景。
垂木の勾配による屋根のむくりが、玄関に人を招き入れる。
閉じられたルーパー状の折れ戸越しに、室内の光が適度にこぼれている。