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実際よりも広く感じる、狭小地のリノベーション
ご主人のお父様が建てた築36年のビルは、敷地9坪。
景観法に守られた京都の観光地に位置し、広さを維持するにはリノベーションが唯一の選択肢だった。
4階建ての躯体をそのまま利用することにし、狭さと暗さを克服するデザインを追求した。
間取りは2LDKから3SLDKに変更。
以前は2階にあり、光が入らなかったLDKを一番明るい4階へ移動した。
2階には水周りと趣味室を設け、4階の小屋裏をロフトにすることで3.8坪拡充できた。
店舗として貸し出している1階を除き、2階から4階までらせん階段が光と風を通す。
周囲は書棚が取り囲み、明るい階段に腰掛けて読書していると図書館気分が味わえるそう。
スペースをフル活用し、1cmの無駄も出さないことにこだわった住まい。
以前のビルを知っている知人は、前より広くなったと驚いているそうだ。
階段
壁面大収納は、ご主人の部屋からグレーチングを渡しアクセスする。
2階個室
ご主人の部屋。
視線を遮るため開口部は小さくし、趣味である大量のCDやレコードの収納を最大限に確保した。
トイレ
床にはメンテナンスが容易なPタイルを採用。
配管を隠すための段差を利用し、収納を造作した。
3階フロア
奥さまの部屋、息子さんの部屋、ファミリークローゼット、階段を田の字型に配置。
壁を作らずに障子で仕切り、スペースを最大限に活用した。
らせん階段
階段室を設けず、らせん階段を通った光と風が家中に行き渡る仕組み。
書棚
階段と棚の距離を測り、手が届くようにデザインされた書棚。
キッチン
スペースに合わせた特注のキッチン。
レンジフードは目立たないよう壁と同色にペイントした。
リビングからの眺め
4階に位置し、明るく開放的な空間。
左手奥にはインナーテラスを設けた。
ロフト
インナーテラスの上部、小屋裏だった個所を多目的スペースに。
ロフトからの眺め
コンパクトな作りながらも、吹き抜けが実際よりも広く感じさせてくれる。
高台寺の家
漆喰の壁と黒いサッシがモダンな印象で、京都の町並みになじんでいる。