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交通量の多い道路沿いに建つ「三角の家」
石川県のとある新興住宅地に建つ平面形状が三角の形をした不思議な家。
三角の形には理由がある。
家の向かいにはコンビニが建ち、前面道路は交通量も多く騒音対策がとても重要であった。
道路側は騒音対策と西日対策のため窓を設けずにできるだけ建物を絞り、
道路の反対側へは建物を広げて、寝室などの「静」の場を配置。
外部騒音の影響が少なくなるように考えていくうちに三角の形をした建物に何となく導かれていった。
それから三角の斜め壁はリビングに採光を取り込めるように南へ向けて角度を設定し、1mの外壁後退や駐車スペース、庭、周辺環境を考慮しながら配置や形状に微調整を加え、この「三角」の形が必然的にできあがった。
シンボリックでユニークな形状の住まいは町のランドマークとなり、この地に根付いていくことだろう。
外観
西日対策と騒音防止のため道路側に窓は設けていない。
喧騒から家族を守るために考えた結果のカタチ。
模型写真
模型を上から見る。
以下の5つの点を特に意識して設計した。
1.騒音対策のため道路側は建物を絞り、奥に向かって広がった形状とする。
2.道路とは反対側にプライベートな寝室を配置すること。
3.変わった形状の家特有のデットスペースをつくらないこと。
4.廊下の無い間取りとすることで居室の面積をできるだけ広げること。
5.意味のあるデザインにすること。
外観
白い外壁はクライアントの強い希望。
軒の無い家なので汚れ防止のため外壁はガルバリウム鋼板とした。
外観
板塀はクライアントと設計士の共同作業で塗装。
塀の高さは外から人に見られない高さに設定した。
LDK
フローリングはパイン材をアンティーク加工したもの。
天井は壁下地に使われる材料を白塗装して1mmの目透かし張りとした。
LDK
屋根勾配なりに天井材を張っているのでゆるやかな勾配天井となっている。
中央に見える柱がこの家の大黒柱で大空間を支えている。
キッチンの背面壁は足場板を使用。
家具は全てクライアントがこだわって揃えたもの。
玄関
玄関は建物の先端で三角の不思議な形をしている。
仕上げ材にはご主人のアイデアでOSB合板を採用。
扉材にも壁と同材のOSB合板を使用している。
照明は現場で吊るす用のカバーの付いた照明を二本ぶら下げている。
一つ千円の照明には見えない。
トイレ
ゆったりとした小便器付きのトイレスペース。
天井には木毛セメント板、床は4色のタイルを遊び心でずらしながら張っている。
寝室
夫婦の寝室にはラワン合板を天井と床にサンドイッチ張り。
朝日が入る方向に窓を設け、天井を若干低く設定することで落ち着いた睡眠がとれる環境を目指した。
心地よいスケール感。
天井にある黒の怪しげな棒はぶら下がり棒。
ご主人からのリクエスト。
寝室
一つだけ真っ白な部屋をつくったのはクライアントの希望。
反射光のおかげでこの部屋は際立って明るく感じる。
シューズインクローゼット
この部屋の壁、天井、棚は全て構造用合板でつくっている。
雪国では冬用タイヤを収納しておける外部収納場所は必須だ。
下足棚は大工さんからクライアントへのプレゼント。
チームワーク力の強いプロジェクトでした。
中庭
四角の土地に三角の建物をつくると庭も必然的に三角となる。
将来的には芝生を植えて楽しむ予定。
庭(南向き)に向かって4.7mの大開口を設けた。
デッキ材は耐久性のあるセランカンバツを使用。
