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11坪の平屋 光あふれる暖かな家
93歳と85歳の老夫婦のための終の棲家。
「太陽の光がたくさん入る暖かな家にしてほしい」というのが唯一の要望であった。
限られた予算の中で最大限に要望を叶えるため、南側に大きく開いた片流れ屋根とし、
南から直射光と隣地の植栽を借景に最大限に取り込むことができる形とした。
延べ面積11坪という極小平面に、水廻りを効率よく納め、残りをLDK+畳敷のワンフロア空間に設えた。
小住宅ながらも、色のトーンの統一と素材感を大切にし、日々の暮らしの中に温もりと安らぎが感じられる空間を目指した。
外観
アプローチとなる北東側からの眺め。
敷地区画が比較的広い宅地が続く岡山の中でも落ち着いた住宅街。
母屋の手前にあった駐車エリアに新しく建物を配置している。
玄関ポーチ
低く伸びた軒下空間に、軽やかな片持ち階段が3段。
玄関戸は簡素な片引戸を設える。
垂木間の面戸板に通気スリットを切る。
階段
土台水切りは見付を狭め、シャープな印象に。
郵便受けまでは軒がかかるので、雨天時も濡れずに出入りする。
リビング
「直射光が沢山入る暖かい家にしたい」という建て主さんのご要望。
南側に大きく窓をとっている。中央がリビングダイニング。左側に少し見えるのが畳敷。
リビング
隣地建物屋根や植栽を越えて、日光が沢山入っている。
雰囲気よりも実利を優先した設計。
内観
リビングダイニング。
勾配天井によって南側は最大で3.5m程の天井高さ。
西側壁にはシャープな枠廻りの窓が2つあり、見える景色が際立っている。
左側の窓は、片引き窓になるよう納まりを工夫をしている。
ダイニング
北側のキッチンを見た様子。
北側天井高は最小で1.9m程までぐっと絞っている
畳敷
南側壁を全面開口としているので、最低限1箇所は耐力壁が必要となる。
鋼製筋交いを入れている。
キッチン
色のトーンの揃った素材が並ぶ。
小住宅ながらも、素材感を大事にしている。
脱衣室前
脱衣室の入口をみる。
建具枠見付を細くモダンに処理している。
キッチン
窓越しに軒裏が見える。
サッシのクレセントは低くし、ブラインドを下ろしても操作しやすい位置とする。
キッチン引出の鏡板は、左右で木目が連続するようにしている。
脱衣室
脱衣室正面は鏡張りとして、狭い空間ながらも広がりが感じられるようにしている。