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コレクションに囲まれて生活する家
「先の事は判らないが、今は収集してきた美しいものに囲まれて生活したい」
施主のコレクションを飾るギャラリーとしての機能と、様々に移り変わる日常へ対応する機能。
私たちはこの2つの機能を高度に、そしてローコストで実現する住宅を創りたいと思った。
中庭を中心にした一室空間と全周に連続高窓を設けるプランは、
外部の日常から切り離した静けさを手に入れ、永く続く施主だけの日常空間を得る事が出来た。
リビングから室内を見る
天井は全て中庭へ勾配させることで、全周にある連続高窓と空を連続させた。
光が集積する中庭で最大限の空(自然)を感じられるよう考えた。
各スペースは完全に区画されていない約100平米の一室の空間。
リビングから見るギャラリースペース
玄関横に、床から一段上げてコレクションを飾るギャラリースペースを設けた。
高さ1.9mの目隠し壁を用いて、空間はお互いに緩やかに接続されている。
大きな一室空間は、移り変わる施主の生活のステージ毎に、ギャラリーとして、個室として、子育てに必要なスペースとして、無理なく再構築出来るようにも考えられてる。
ギャラリースペース
施主がコレクションしたディーター・ラムスがデザインしたプロダクト。
壁一面に取り付けた棚は、ディーター・ラムスがデザインした「606ユニバーサル・シェルビング・システム」、
手前のオレンジの椅子は、同じく「601チェア・プログラム」。
*ディーター・ラムスは、ドイツの家電メーカー「ブラウン社」に籍を置いた著名なインダストリアルデザイナー
ギャラリーからキッチンを見る
シンプルな空間を壊さないため、あまり主張しないキッチン+ダイニングテーブルを配置。
右奥は寝室スペース。
寝室
寝室として使うスペースはフローリングにして雰囲気を変えた。
玄関より室内を見る
玄関の土間は、細長く印象的な白で室内に引き込んだ。
奥に見えるのが勝手口で、その左奥がバスルーム。
バスルーム
天井には透明なガラスを設置して高窓からも光を取り入れた。
左側面の窓からは中庭が臨める。
壁はガラスモザイクタイルで仕上げた。
中庭
この中庭を中心に、家全体をぐるりと一周できるようになっている。
和室
茶室をイメージしたシンプルな和のスペース。
外観
少しでも自然界に寄り添うよう、外壁には雲の様に見えるまだらな塗装を施し、建物全周に高窓を配置している。
建物を地面から50cm浮かし、エントランスへ向かう浮遊感のあるエキスパンドメタルのスロープは、外の日常から施主の日常へのアクセスツールとなる。
夕景
10メートル四方の正方形の中に、2.7メートルの中庭を内包するワンフロアの建物。
屋根は中庭に向かって傾斜し、連続した高窓が全周にまわる直方体が少し浮いて見える独特のフォルムとなった。
更新日時 2014年07月25日