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細長い敷地を生かす空間への仕掛け
施主が湘南の人気のエリアでやっと見つけた細長い敷地。
奥行き約19mに対して、間口が7mで奥になるほど狭くなる。
単なる細長い箱では、この長さを生かすことはできない。
長さを自然に体感できる魅力ある空間にするため、建物を折り曲げ、生まれた空間に前庭、中庭、奥庭と3箇所の庭を設けた。
さらに長さ、高さを生かすため、素材の色や質感の変化、そして光や視界に変化をつける様々な仕掛け空間に施した。
折れ曲げたキッチンとダイニング
2階のLDKの間口はわずか1間半(約2.7m)しかないが、両側を中庭と奥庭の緑に囲むことで狭さを感じさせない。
この細長い敷地だからこそ、あらゆる方向に視線が伸びて広がる効果が生まれた。
キッチンからダイニングを見る
見え隠れしながら続く空間は、視界の変化による奥行きを感じさせる。
テーブルから天井へ伸びる一本の丸柱は、3.7mの天井の高さをさらに実感できる視覚的な効果を狙った。
また、この丸柱は、テーブルの折れ曲がり部分にあることで、キッチンとダイニングの空間をゆるやかに分ける役割も果たす。
奥には、ダイニングの床より高くしたくつろぎスペースを設置。
ダイニング奥のくつろぎスペース
一段低くして掘り込みをつくり、段差に腰掛けたり、寝そべったりしても居心地のいいようにカーペット敷きにした。
玄関から奧を見る
奥は2階に上がる階段で、右に進むと「内路地」と呼んでいる1階の廊下になる。
1階の内路地
建物を折り曲げることで路地のような空間と視覚的効果で長さ感じる演出。
光を低く絞ってほのかに明るくした床には焼き物らしさを感じさせる瓦メーカーのタイルを敷き、壁は黒塀のような板材と左官仕上げを用いた。
敷瓦が敷かれた中2階の床の間
玄関から階段を上がって、中2階の正面に設けたステージのような床の間。
道路に面した窓に障子をはめ込み、明るさと品格を確保した。
中2階の客間を見る
畳敷きの客間の隣に書斎コーナーを設ける。
家全体が連続した空間の中で、唯一、ひとりで集中できる場所とした。
左の窓から中庭が見下ろせる。
エントランスポーチの夕景
大谷石のアプローチから格子戸をくぐって玄関に導かれる。
エントランスポーチを内側から見る
格子戸をくぐり、前庭の横を通って玄関まで。