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海を望み樹々に抱かれる、崖の上の家
海沿いの傾斜地の中腹に建つ家。
周囲には強い雨風に曝されながらも、樹々が豊かに生い茂っている。
そんな周辺環境への影響を最小限に抑えるべく、等高線に沿って立体を構成。
地下1階、地上2階建てだが、崖に埋没するような構成となっているため、海の反対側から外観を見ると平屋のように見える。
地下1階は納戸とホビールーム。
1階にはリビングと和室、寝室、水回りを配し、2階にはダイニングキッチンがある。
階層ごとに異なる風景を楽しむことができる造りとし、地盤に近い1階リビングからは周辺に自生する植物や樹を、2階ダイニングからは海を望むことができる。
特筆すべきは、2階からの眺め。
大きくとった開口から、海を一望する。
2階部分の大半をテラスと深い庇が作る半戸外が占めており、屋内から半戸外を介して屋外へ、生活と眺望がグラデーションのようにつながっている。
室内空間と外部環境が絶妙なバランスで繋がった、伸びやかな住まいとなった。
北側外観
北側(海とは反対側)から見た外観の夕景。
地上2階建てではあるが、海側の傾斜に沿って建っているため、こちら側から見ると平屋のよう。
格子から光が洩れ、生活の気配がうかがえる。
南側外観
南側(海側)から見た外観。
崖地に建っているのが分かる。
既存の樹々に囲まれ、それらに溶け込むように佇んでいる。
エントランスポーチ
エントランスポーチの夕景。
北側外観
外周には外壁を設けておらず、格子で囲っている。
「拒絶感のない家」というのが建て主の要望のひとつ。
プライバシーの確保、防犯性などを考慮しつつも閉じすぎない、柔らかい存在感のある家となっている。
エントランス
深い庇が影を作り、外部との適度な距離感を生んでいる。
エントランスを入ると、この家の2階部分へ。
玄関
和紙のスクリーンから優しい光が入る。
ダイニング
2階のダイニング・キッチン。
周囲を格子と障子が包む。
テラス
ダイニングから続くテラス。
列柱によって分けられた内と外との境を、深い庇が緩やかにしている。
格子
テラスに設けられた格子。
格子が家の外周をぐるりと囲っている。
デッキ
傾斜に沿って階段状のデッキが続き、階段を降りるごとに海との距離が縮まっていく。
ここは”縁側”としての機能も持っており、階段をベンチのようにして寛ぐこともできる。
また、1階と2階を繋ぐ外階段としての機能も兼ね備える。
南側外観
南側から見た外観の夕景。
大きな窓は全面開放することができ、光や風といった外部環境を大いに取り込む。
1階和室
1階の畳の間。
地盤面に近い1階からは、周囲の緑を望むことができる。
障子窓からは光が優しく注ぎ、ガラス窓は外の景色を切り取っている。
1階リビング
床には石を使用、壁は漆喰で仕上げた。
窓の内側には和紙のスクリーンを設け、外の樹々が作り出す影が映る。
1階リビング
ガラス越しに、周囲に生える植物や低木を望むことができる。
1階浴室
大きな窓から外の景色を取り込み、開放的なバスルーム。