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内と外の境界線と風景に連なるグラデーション
鹿児島・錦江湾越しに桜島を見る、小高い山の中腹にこの5人家族の住まいがある。
眼下に望む広大な錦江湾の風景はただただ美しい。しかしこの地域では桜島の火山灰の影響によって、日常的に窓を開け放した生活をすることはない。
そこでこの計画では、建築と外部を完全に分断してしまうのではなく、逆に風景と繋がるような住まいを目指した。
外と中を隔てる場所に空間を設け、内部での行為が外部に近い場所まで拡張され、閉鎖的でありつつ外部空間を感じられる。壁厚を拡げることで、内外部の間の中間領域を造り、ウインドウスペースなどの「外部に近い空間」を生み出した。また軒を深く出して内部をやや暗めに設定することで、景色は鮮明に浮かび上がり、日常生活と景色はより親密な関係を造り出している。
内外を隔てる壁である場所に空間を設けることで、境界は内と外、外と内を豊かに繋がっている。
それは境界の内外をグラデーションのように連なる、新しい形の住まいの完成となった。
ダイニングとウィンドウスペース1
眼前に錦江港の風景が広がるウィンドウスペース1。
桜島の火山灰によって生活を閉じざるを得ない地域性の中、住宅の境界線に窓辺を大きく取ることで、内外にグラデーションのような繋がりを持った場を造り出した。
ウインドウスペース2
西側の庭に繋がるウインドウスペース2。
それぞれのウインドウスペースはリビングよりレベルを350mm上げて設置されている。
LDK
天井に50mm角の筋交いが架かるLDKの最高天井高は6335mm。
広がりのある空間を持たせている。
2階ロフトには、小窓を通してリビングと繋がる。
ウインドウスペース1を見る
リビング・ダイニングからウインドウスペース1を見る。
ウインドウスペースは両方ラウン合板張り仕上げ。
北東面に開口するウインドウスペース1の開口幅は6340mm。
外観
ウインドウスペース1が望める建物外観。
眼前に錦江湾と桜島の風景が広がる。
浴室
ウィンドウスペース1に繋がる浴室。
カーテンで仕切ることが出来る。
リビングを見る
リビングの照明は抑え気味に。
ウィンドウスペースとの明るさが対照的。