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異素材が調和し織りなす上質空間
都心に近くありながらも自然が多い場所を求め、10数年に渡って土地を探してきた建て主。
都内の高台に建つ築20年の二世帯住宅に出会い、購入を決意した。
周辺環境や広さなどが条件に合ったことや、何より2階からの眺望を気に入り、自分たちの好みとライフスタイルに合わせてリノベーションすることとなった。
既存の建物をスケルトンにすると現れたのは、天井のしっかりとした鉄骨梁と小屋組み。
そこで、その鉄骨と屋根の勾配を活かし、LDKは最大の高さが4650mmという吹き抜けの大空間に。
梁を利用してロフトも設けた。
鉄骨梁と、屋根の勾配に合わせて巡らせた木製ルーバーの異なる素材がお互いを引き立て、上質な空間を演出している。
「鉄骨×木」のように、異素材が織りなす効果は、インテリアを洗練されたものにしている。
鉄の質感がハードな印象を与えるリビングの壁は味のある砂漆喰仕上げ、床にはカーペットを敷き、柔らかな印象をプラス。
キッチンの床には素材感のある大谷石を、キッチンの天板には研ぎ出し仕上げの人工石を使用し、空間を引き締めている。
素材の風合いや色合いが絶妙なバランスで調和した、寛ぎの空間が完成した。
玄関
落ち着いた印象のエントランス。
ベイマツ材の重厚感ある玄関扉は回転式となっている。
2階リビング
鉄骨梁を表したリビング・ダイニングは天井高のある大空間。
むきだしになった鉄骨はポーターズペイントの特殊な錆仕上げ、吹き抜けの天井は木製ルーバーで仕上げた。
鉄骨のハードな印象を木や壁の漆喰、床のファブリックなど異なる素材が和らげ、バランスのとれた空間となっている。
木製ルーバー
天井にめぐらせたルーバーには無垢のツガ材を使用。
時が経つにつれて色が濃くなり、素材の経年変化を楽しむことができる。
天井の一部に設けたトップライトからは光と風が注ぐ。
リビングダイニングからキッチンを見る
吹き抜けのリビング・ダイニングに対して、キッチンにはメラピー材の天井を貼って変化をつけた。
キッチンには石を効果的に使っている。
床には大谷石を、キッチンカウンターの天板には研ぎ出し仕上げの人口石を使用。
カウンターの脚に床と同じ大谷石を使うことで、まるで浮いているかのようなキッチンに。
インテリアの一部のような美しいキッチンとなった。
吹き抜けからキッチンを見る
まるで家具のように空間に溶け込むキッチン。
左手の造作棚はリビング・ダイニングまで連続しており、空間に奥行を生んでいる。
窓からの眺望
見晴らしのいい高台に建つ家。
それぞれの窓が街並みや木々の緑など、それぞれ違った景色を切り取る。
パウダールーム
2階北側にはトイレと一体化した、広々としたパウダールームが。
木製ルーバー越しに、トップライトからの光が差す。