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中庭と土間が繋ぐ、程よい距離感の二世帯住宅
駿河湾と富士山を望む緩やかな斜面に建つ二世帯住宅。
南北に長い敷地にはふたつの切妻屋根の棟が少し離れて配置され、塀のような外壁が敷地をぐるりと囲んでいる。
小さなお子様がいる子世帯と、何十年もこの土地で暮らしてきた親世帯。
両世帯とも、お互いの気配を感じつつ、プライバシーを保てる住まいを希望。
加えて親世帯は、他の人と、また建て替え前と一味違うデザインの家を、子世帯は、庭とつながる開放的な住まいを望んだ。
まず二世帯の距離をほどよく保つため、敷地の中央に中庭を配置。
南北に長い土地を利用して南に子世帯、北に親世帯を振り分けた。
外壁の真ん中にある共用の玄関を入ると、玄関土間が左右に長く伸びる。
土間を左へ進むと子世帯、右に進むと親世帯の棟へ。
それぞれの世帯のリビングは中庭に開けており、二世帯は距離をとりつつも視覚で繋がっている。
中庭につくった二世帯共用の離れは、ゲストハウスとして使用している。
週末にはみんなで食事をとったり、一緒にキッチンに立つことも多いのだそう。
キッチンの設備や機器を二世帯で揃えているため、どちらのキッチンでも戸惑うことなく作業ができる。
「一緒」と「別々」のバランスがちょうどいい、家族みんなが快適に暮らせる二世帯住宅が実現した。
外観
斜面にある南北に長い敷地を、塀のような外壁が囲む。
東側の道路は比較的交通量が多いため、開口を最小限に抑えて騒音をカット。
外壁の中央に、二世帯共用の玄関がある。
土間玄関
共用の玄関を入ると、南北に対称に土間が伸びる。
右の棟は親世帯、左の棟は子世帯。
親世帯、子世帯、共用の土間玄関が中庭を‟コの字”のように囲む。
子世帯エントランス
土間の突き当りに光庭があり、明るいエントランス。
子世帯ダイニング
ダイニングから中庭を望む。
ダイニングは共用の中庭と、アウトドア・ダイニングとして利用できるもうひとつの中庭にはさまれており、外の自然を取り入れた開放的な空間。
子世帯キッチン
キッチンは親世帯から最も離れた場所に配置。
子世帯と繋がる第二の庭にだけ開けており、籠れるような場所に。
子世帯キッチン
キッチン背面の収納はガラス戸で目隠しすることができる。
効率的な動線を確保しつつも、生活感は隠せるように。
アウトドア・ダイニング
外で食事ができるような開放的な住まいにしたいという子世帯の希望を叶るため、共用の庭とは別に第二の中庭を配置。
晴れた日は、コンクリートのテーブルで食事を楽しんでいる。
子世帯パウダールーム
パウダールームの背面にはオープン棚を造作。
奥がバスルームとなっている。
リビング
リビングは、共用の中庭と第二の中庭両方に開けている。
共用の中庭を通して親世帯の気配を感じることができる。
子世帯階段
トップライトから光を取り込む。
子世帯2階
2階には子供室とベッドルームを配置。
将来子供が増えることを想定し、子供室として2部屋用意した。
子世帯寝室
切妻屋根の傾斜をそのまま生かした寝室。
土間玄関
土間を右へと進むと、親世帯の棟が。
親世帯LDK
ふたつのトップライトから光を取り込む。
目を惹く大きなテーブルはスペイン製。
大切にしてきたアンティークが彩る、味わいある空間。
親世帯ダイニングキッチン
LDKは共用の中庭へと開けていて、子世帯の気配を感じることができる。
ウッドデッキは腰かけて寛げる縁側のような存在。
親世帯キッチン
ブルーグレーの壁面収納が目を惹く。
キッチンの腰壁はモルタルで仕上げ、クールでスタイリッシュな印象に。
「みんなと同じはキライ」という、お母様らしい個性的なキッチンとなった。
親世帯ベッドルーム
構造柱と梁を見せ、壁ではなくガラスを入れた。
右手の小窓には、前の家で使っていたステンドグラスを入れた。
お母様がデザインしたオリジナルなのだそう。
親世帯から子世帯を見る
親世帯のウッドデッキからは、中庭をはさんで子世帯のリビングが見える。
中庭にはゲストハウスとして使える、共用の離れを設けた。
ゲストハウス
離れの内部は縁なしの畳を敷いたモダンな和室。
シンプルかつコンパクトな空間。
普段はお子様の遊び場としても活躍している。