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都市と郊外の狭間、緑の中に浮かび上がる家
静岡駅から車で約10分ほどの場所、なだらかな斜面に広がる茶畑の緑のなかに、白いコンクリートの家が佇む。
風致地区*と市街化調整区域*の境目に位置し、敷地面積およそ174㎡、建蔽率40%、容積率60%という条件。
高さ制限に加え、敷地の30%を緑地とする規定もある。
そんな厳しい条件のなか、北から南に傾斜している土地を利用して地上1階、地下2階建ての住まいを計画。
1階のエントランスホールから半階下がったところにアトリエを、半階上がったところには客間となる和室を配置。
2階にはリビング・ダイニングや寝室を配し、プライベートなスペースに。
高さは制限内に納めつつ、豊かな生活空間をつくりだした。
建物の周囲には樹木やハーブを植え、既定の緑地を確保。
緑の中に浮かび上がるような住まいとなった。
2階東側のダイニングに配した横長のFIX窓からは、茶畑の緑を借景。
豊かな自然を享受し、心安らぐ空間が完成した。
極上のロケーションを最大限に有効活用した贅沢な住まいで、穏やかな暮らしを送っている。
*風致地域…都市計画法において、都市の自然美を保全するために定められた制度
*市街化調整区域…都市計画法において、市街化が抑制された区域
外観
都市部から車で10分ほど走ると、一面が茶畑の、のどかな風景が広がる。
斜面に広がる緑の中、白い建物が目を惹く。
東側から見た外観
北から南にかけて、なだらかに傾斜しているのが分かる。
傾斜を利用し、地盤面から1.8m掘って地下を確保した。
南側外観
2階部分が大きくせり出し屋根となっている住宅ポーチは、アウトドア空間としてさまざまなシーンで活用している。
建物を取り巻く植物
建物の周りにヤマボウシやシマトネリコといった樹木やハーブを植え、緑に囲まれた住まいに。
敷地の30%を緑地にするという条件もクリアした。
住宅ポーチ
玄関扉はタモ材を張った引き戸に。
エントランスホール
エントランスホールの天井は3mと高さがある。
中央に配したスチールの階段、コンクリートの壁によって、縦の広がりを感じさせる空間に。
半階下りたところにアトリエと倉庫が、半階上がったところにはゲストルームとして使う和室がある。
エントランスホール
大きな窓が外の緑を切り取る。
オブジェやグリーンをディスプレイしたショールームのような空間。
中2階の和室
ゲストルームとなる和室の手前にはゲスト用の水屋を配置。
2階リビングからダイニングキッチンを見る
2階はプライベートなスペース。
LDKは約28平米のひと続きの空間とした。
東側には横長のFIX窓を配置。
キッチンカウンターとダイニングカウンターを組み合わせ、壁面には収納を造作した。
ダイニングからの眺め
幅650cm高さ90cmと横に細長いFIX窓。
ダイニングに座ったとき、電線を視界に入れず、窓が緑の景色だけを切り取るようにデザインした。
2階ウォークインクローゼットからベッドルームを見る
2階西側にはクローゼットと主寝室を配置。
寝室の左手から入った光が白い壁に反射し、優しい光で包まれる。
バスルーム
バスルームとパウダールームの間はガラスで仕切った。
パウダールームは、外壁で守られた中庭に面している。
パウダールームからテラスを見る
空に向かって開く、2階テラス。
2階のキッチンとパウダールームの間に位置する。