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2つの庭で街と繋がる、“ひだまり”の家
四方を隣家に囲まれた旗竿状の敷地に建つ家。
さらに南側にはアパートの開放廊下があり、プライバシーの確保が必要となる。
建て主の希望は「ひだまりに包まれるような居心地の良い家」。
プライバシーを守りつつもいかに光と風を住まいに取り入れるかが課題となった。
そこで、敷地の南側に細長い庭をつくり、その庭を囲むようにL字型に建物を配置。
南の庭は住まいに光や風、緑といった自然をもたらすとともに、隣家との距離を保つ緩衝スペースとなっている。
主空間であるLDKは2階に配置。
斜めの天井に導かれるように南光が差し込み、冬でも昼間は暖房いらず。
建て主の要望通り、光に満ちた居心地の良いリビングが実現した。
さらに、北側の路地部分にももう一つの庭を配し、2階のサービスバルコニーから見下ろせるように。
南側にのみ開いて北側に背を向けるのではなく、南北両面に開くことで街と、社会と繋がる住宅にした。
1階に設けた奥様のためのピアノルームでは、将来音楽教室を開くことも計画しているのだそう。
「ゆくゆくは、近所の人が集まるような場所に育てていきたい」と話す奥様。
旗竿地にありながら、街と繋がり光で満たされた、ひだまりのような住まいが完成した。
2階LDK
LDKは2階に配置。
南からの光で満たされた明るい空間となった。
季節によって日差しの奥行きが変わり、光によって四季の移ろいを感じられる。
キッチンからリビングダイニングを見る
LDKの屋根は斜めになっており、南の窓からの光を室内に導く。
時間が経つとともに差し込む光がリビングからダイニングへと移り、日時計のよう。
リビングテラス
リビングから続くウッドテラスからは、南の庭に植えたシンボルツリーの緑を望む。
隣家の視線が気にならない位置を計算して窓を配置し、肌で自然を感じながら心地良い開放感を味わうことができる。
廊下からキッチンを見る
キッチンには北庭を見下ろすサービスバルコニーを設けた。
北庭
下草や枕木で造園した美しい路地のような北庭。
南側だけではなく北側にも庭をつくったことで、緑に包まれ、ほどよく街に開いた住まいとなった。
1階ピアノルーム
作曲、編曲の仕事をしている奥様のためのピアノルームは防音仕様で、いつでも自由にピアノを弾くことができる。
土間玄関
夫婦揃って自転車好きで、どこに出かけるのも自転車を使うのだそう。
2台の自転車を整備できるよう、土間玄関を広くとった。
俯瞰図
四方を隣家に囲まれた旗竿状の敷地。
‟竿”の部分にあたるところを北庭とし、枕木を敷いて緑溢れるアプローチに。
南側には細長い庭を設け、隣家との距離を保つと共に住まいに光を風をもたらした。