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緑と空とつながる、自然と共生する大屋根の家
里山の開発によってできた新興住宅地に建つ家。
幼い頃からこの地域で暮らしてきた建て主は、地域の自然環境に寄与するような住まいをつくりたいと考えた。
敷地は南北に約39mもの奥行きがある。
大きな寄棟屋根に覆われた建物を敷地の北寄りに配置、南北両側に庭をつくり、住まいを緑で包み込んだ。
ほぼ正方形の平面の中央には南北を貫くようにリビングを配し、その両翼に個室や水回りを設けたワンルームに。
子供室のある2階は1階と吹き抜けでつながり、家全体に一体感がある。
南側の屋根は全面ガラス張りになっており、空に対して大きく開いている。
反対の北側は庭に開き、緑や光、風を存分に取り込む。
空と緑、そして地域に対して開いた住まいとなった。
緑豊かな外部と内部を自然につなぐため、内装にも自然素材をふんだんに使用。
天井にはベイ松材の構造材を表し、壁はホタテの貝殻から作られたチャフウォールで仕上げた。
住まいには南北に風が抜け、夏場でも冷房をかけずに快適に過ごすことができる。
高窓からは青空や星空が見え、空を眺めて過ごしているのだそう。
緑と空、風、自然と共に暮らす家が完成した。
南側外観
造園業を営んでおり、植物に造詣が深い建て主夫婦。
南北両側に緑溢れる庭をつくり、周囲の自然と住まいを繋いだ。
屋根の南面は全面が開口部になっており、大空を切り取る。
大きな寄棟屋根に覆われた家は、外観はコンパクトに見えるが、内部にはダイナミックな大空間が広がっている。
リビング
大きく吹き抜けた、おおらかなワンルームの空間。
南北に付き抜けるようにリビングを配置し、視線が水平方向に広がる。
その両側に、寝室やダイニングキッチン、水回りといった居室を配した。
ロフトのような2階部分を子供室に。
玄関からリビングを見る
南側の玄関から、北側の庭まで見通すことができる。
ダイニング・キッチン
内装には、自然を感じさせる素材を使用。
壁はホタテの貝殻からつくられたチャフウォールで、一部赤く塗ってアクセントウォールに。
キッチンは奥様の希望でオールステンレス。
北側の庭からリビングを見る
庭に対して大きく開いたリビング北側。
木の建具をフルオープンすると、ウッドデッキを介して内外が一体化する。
階段からダイニングキッチンを見る
南から北に向かって下がる屋根に、家全体が包まれているよう。
ベイ松材の屋根の架構を表し、梁の部分を黒く塗装。
接合部分が見えない工法を採用しており、木の質感が住まいに温もりをもたらす。
階段と床、さらにダイニングテーブルは、ナラ材で統一している。
階段下
階段下はピアノスペースとして有効活用。
2階からリビングを見下ろす
1階と2階は吹き抜けでつながり、住まい全体に一体感がある。
2階廊下に立つと、北側には庭の緑を、南側には広がる空を望む。
2階子供室からの眺め
住まい全体がダイナミックに繋がり、家のどこにいても家族の気配を感じることができる。
1階ダイニングキッチンとリビング、寝室とリビングの間にはガラスの引き戸を設けているが、開放していることが多いそう。
2階ベッドルーム
屋根裏部屋のような、子供たちのベッドルーム。
住宅ポーチ
緑溢れるエントランス。
ガラス張りの屋根が空の景色を写し出し、自然との一体感を感じさせる。
北側外観
南北両側の庭に守られるように家が建つ。
庭には主にオーストラリアの木を植えた。