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本と緑に囲まれた丘の上の家
東京郊外の住宅地、丘の中腹に建つ家。
敷地は幅約6.5m、奥行の長いところで約21mと細長い。
隣地にある崖にはヤマザクラやアカマツ、モミジや、ヤツデやユズなどの低木、さらに敷地内には大きく育ったスモモの木があり、周囲には様々な木々が生い茂っている。
豊かな自然を享受しつつ、家族の暮らしを受け入れる力強い住まいを造った。
内部は杉材の柱と梁を現して構成された、シンプルで素材感のある大きな空間。
1階は玄関から続く土間と、そこから一段上がった板の間、水まわりがある。
板の間やバスルームからは南側の庭や隣地に茂る木々の鮮やかな緑が見える。
1階と2階を結ぶのは土間にある螺旋階段。
螺旋階段の周りは吹き抜けになっており、吹き抜けの壁を埋め尽くすように本棚を造作した。
1階から2階までの壁一面に並んだ膨大な書籍と、2階から差し込む光、南側に広がる緑が住まいを満たしている。
2階には広々としたホールと寝室、書斎を配置。
現した梁は北から南にかけて少しずつ高くなっており、その勾配に沿って正方形のハイサイドライトを設け、光を存分に取り込む。
光と緑、本に囲まれた、力強くしなやかな住まいが完成した。
玄関
アプローチを進むと玄関土間が現れる。
ダイニングを見下ろす
玄関の沓脱土間を入るとダイニング・キッチンが続く。
板の間
ダイニングをから35㎝ほど上がったところに板の間を設け、外のデッキと連続させた。
壁一面に2階まで貫く本棚を造作。
ダイニング
壁に巡らせた棚には本だけではなくテレビや電話を置いて家具のように活用。
板の間
板の間からは庭の大きなスモモの木やその外のヤマザクラ、モミジ、ヤマウコギなど、様々な木々を望む。
板の間の手前には空間を引き締めるシックな螺旋階段が。
その周りは吹き抜けになっており、2階から光が届く。
2階ホール
螺旋階段を上ると開けたホールが現れる。
現した上梁は少しずつ勾配を変え、それに沿ってハイサイドライトを並べた。
2階ホール
等間隔に並んだ柱、片流れの梁、一面に巡る厚みのある棚板が構成する力強く温かみある空間。
柱、梁、床ともに智頭杉を使用。
2階からの眺め
窓いっぱいに緑が広がり、清々しい。
吹き抜け
開放的な吹き抜けを書籍が埋め尽くす姿は圧巻。
書斎
2階書斎は籠もれる空間。
壁全体を本棚にし、正面の机も造りつけた。
ベランダ
板張りのデッキを守る庇は、夏場の日差しを和らげるとともに冬場の日差しを室内に取り込む。
庭から見た外観
庭のスモモが心地良い木陰をつくる。
バスルーム
1階バスルームからも南側の庭の緑を望む。
バスルームからも庭と出入りできる。