- Like!
- 1
木箱の上にそっとかぶさる勾配屋根の家
福島県郡山市にある、斜面を削ってできたのどかな分譲地。
そんな豊かな自然に合わせて、のんびり暮らせる家が建て主の希望だった。
敷地に6つの木箱を設け、そこに屋根裏部屋を内包した大屋根を載せるデザインを提案。
木箱に囲まれた、内と外をつなぐスペースを広間と名付けた。
木箱はそれぞれキッチンやクローゼット、ライブラリーなどの機能を持ち、それに合わせた内装を施した。
外側は現し*にし、建て主がこれから生活するなかで手を加えていけるようにした。
角度を振って建物を配置し、バリアフリーの駐車スペース、芝生、小さな菜園、裏庭の4つの庭が生まれた。
広間に座れば木箱の隙間から庭の景色や風を通し、自然とともに暮らすことを感じられる。
落ち着いた環境で、大好きな漫画を並べてくつろげる家が完成した。
*現し(あらわし):柱や梁などの構造材が見える状態で仕上げる手法。
玄関ポーチ
駐車スペースとして使用している。
広間から玄関を眺める
玄関や木箱と木箱の間からは光が差し込み、風の通り道でもある。
テラスから広間を眺める
木箱に囲まれたスペースを広間と名付け、リビングやダイニングとして使用している。
リビング
木箱の外側は仕上げをせず、構造を現した。
和室
向かって右にはにじり口も設けた。
キッチン
グリーンに塗装したコンパクトな空間。
クローゼット
勾配屋根型の出入り口に遊び心が表れている。
ライブラリー
建て主の趣味の漫画がずらりと並ぶ。
階段を内包し、秘密基地のようなわくわくする空間になった。
ロフト
手すりを兼ねた本棚にも、屋根と同じ角度で勾配を持たせた。
ロフトからの眺め
大屋根は地形に沿うように傾斜している。
ベッドルーム
コンパクトで落ち着く屋根裏の小部屋。
南側外観
山に囲まれ小川が流れ田んぼが広がる、のどかな分譲地の一角に建つ。