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古都の暮らしになじむモダンと伝統の家
世界遺産にもなっている、京都の社に隣接する敷地。
建て主の希望はもちろん森の眺めをいかすことだった。
意識したわけではないが、ライフスタイルや土地柄を考慮してデザインしていくと、自然に「和」のテイストが生じた。
素晴らしい眺望を得られるかわりに、周囲は京都の中でも景観に関する規則が厳しい。
屋根の勾配なども、規則に沿って細かく設定している。
これからも美しく続いていくであろう緑の景色を最大限に取り入れるため、2階は全面開口に。
広くはない敷地にあえて坪庭を設けたり、深い軒のある2階のデッキなど、伝統的な手法を取り入れて空間のつながりやゆとりを演出した。
家族を包む居心地の良い家は、社を訪れる人たちの目を楽しませる街並みの一部となった。
外観
道路を挟んだ向かいは社の森。
夜はやわらかな光が木々を浮かび上がらせる。
玄関ポーチ
道路からの距離が近い玄関扉も、段差を設けることによって内と外の切り替えになる。
玄関
自宅で仕事をする奥さまが接客することもあるため、広めの土間をデザインした。
子ども室
お嬢さんが自分でデザインした和室。
多目的に使える畳の下は収納になっている。
バスルーム
窓の格子から緑を眺められる、明るい空間。
排水のためドアの下に敷いた玉砂利が風情を添える。
寝室
奥さまの寝室。
ピアノを置き、子どものころ以来の練習を再開する予定だそう。
階段
玄関から階段を上った先にLDKがある。
隣家との境に作った坪庭が、光庭としての役割を果たしている。
キッチン
切妻屋根の構造を表した開放感のある空間。
キッチン上部のロフトからは、大文字焼も見られる。
ダイニング
アイランドキッチンでは料理好きのご主人はもちろん、お嬢さんも参加して料理を作って食べるのが楽しみ。
ダイニングから光庭を眺める
左手扉の向こうは、奥さまの仕事場。
階段室から仕事場を眺める
LDKに隣接した仕事場では、坪庭からの吹き抜けを通して空が見えるのが気に入っている。
ウッドデッキ
リビングから段差なしでレッドシダーのデッキにつながっている。
室内からの登り梁が軒まで連続しているので、向かいの森を身近に感じさせる。
B階寝室
ご主人の寝室。
クラシックのCDコレクションを楽しむため、防音仕様にしている。
外観
下部から、打放しコンクリート、桧製の格子、デッキにかかる屋根の登り梁という構成。
夜になると格子から明かりが洩れて、行燈のような趣になる。