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閉じつつ開く「ヤドカリの殻」に包まれた家
狭い道路に面し、隣家との距離も近い密集地に建つ家。
そんな条件のなか、プライバシ―を確保しつつも開放的でシームレスな空間が求められた。
外部からの視線を遮りながらも内部は開けた空間にするため、居室の箱をガルバリウム鋼板で包みこむプランを採用。
まるで”ヤドカリの殻”のような壁に守られた家となった。
内部空間は、最大8.7mもある天井まで吹き抜けたダイナミックな空間。
屋根付近に設けたガラス窓からは南からの光が、ダイニングのスリット部分からは西日が入り、ガルバリウムの殻に覆われていても1日を通して日の光を取り込む。
1階には多目的に使える土間スペースからダイニングと独立型のキッチンが続き、2階にはライブラリーと寝室、バルコニーがある。
さらにその上には緑の屋上庭園が広がる。
屋上庭園は屋根の照り返しを防ぐ効果があり、屋根と天井面の温度上昇を軽減。
さらに屋根には太陽光発電を設置し、年間でおよそ3000kw発電することができる。
自然エネルギーを味方につけ、よりエコで快適な暮らしを実現。
殻に包まれた家で、心地良い生活を送っている。
外観
隣家との距離が近い、住宅密集地に建つ。
プライバシーを確保するため、居室の箱をすっぽりとガルバリウム鋼板で包み込んだ。
外観
ガルバリウム鋼板が、まるで”ヤドカリの殻”のように居室を覆う。
住宅ポーチ
路地の行き止まりに向けて玄関を設け、外部からの視線を遮った。
二つのボリュームの間はガラス張りで、南からの光を取り入れる。
ダイニングから南側を見る
最大天井高8.7mのダイナミックな空間。
1階の玄関を入ると、自転車を置いたり、ラグを敷いてリビングとしても使える土間が現れる。
多目的スペースの土間の先には高さを生かした空間のダイニングが広がる。
2階にはライブラリーと、その奥に寝室がある。
さらにその上に上がると屋上庭園が広がっている。
クローズドキッチン
ダイニングの白い扉を開けるとステンレスで統一されたキッチンになっている。
クローズドキッチンは、食育カウンセラーである奥様の希望だった。
ダイニング
ダイニングのスリットからは、夕方になると西からの日が差し込む。
土間からダイニングを見る
壁は漆喰で仕上げ、床には無垢の米杉を使用。
自然素材の風合いを生かした温かい空間。
リビングからダイニングを見下ろす
どこにいても家族の気配が感じられる、シームレスな空間となっている。
2階ライブラリー
床座のライブラリー。
寝そべってくつろげるよう、床にはコルクを敷いた。
屋上庭園からライブラリーを見下ろす
ライブラリーを囲むように本棚を造作。