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投稿記事
雑木林の隣に建つ、店舗兼住宅。
床面積約30坪のコンパクトな建物に、住居と設計事務所、妻が営む雑貨カフェを盛り込んだ。
広さはないものの、住まいには森の中にいるかのような開放感がある。
2階部分が、家族が過ごすLDK。
2面の大開口で雑木林の緑を取り込む、緑に包まれるような空間。
リビングは家庭菜園があるテラスとつながっており、そこで収穫した野菜を食べながら過ごすことも。
‟自給自足”のスローライフを楽しんでいる。
食べ物だけではなく、太陽光発電で電気エネルギーも自給している。
さらに、カフェを営むことで現金も、人との繋がりも自給する…そんな自給自足の家を目指した。
1階は玄関を入って左手に寝室、水回りといったプライベートスペースを、右手に設計事務所と雑貨カフェを配置。
事務所とカフェの間には中庭を設けた。
カフェは2面の窓で雑木林とつながり、さらに中庭からも光が入る、明るく清々しい空間となっている。
オープン以来、口コミでたくさんの人がカフェを訪れる。
中庭では、お茶を飲みにカフェに訪れた農家の人が育てる無農薬野菜を販売したりと、人との繋がりが広がっている。
緑に包まれ、食を、人との繋がりを自給する、豊かな住まいが完成した。
[有]住工房傳(でん) 千葉県 建築家
- ロフト
- タグをクリア
全長28mの平屋建てのような2階建て二世帯住宅
M4アーキヴィジョン 愛媛県 建築家
実際よりも広く感じる、狭小地のリノベーション
ご主人のお父様が建てた築36年のビルは、敷地9坪。 景観法に守られた京都の観光地に位置し、広さを維持するにはリノベーションが唯一の選択肢だった。 4階建ての躯体をそのまま利用することにし、狭さと暗さを克服するデザインを追求した。 間取りは2LDKから3SLDKに変更。 以前は2階にあり、光が入らなかったLDKを一番明るい4階へ移動した。 2階には水周りと趣味室を設け、4階の小屋裏をロフトにすることで3.8坪拡充できた。 店舗として貸し出している1階を除き、2階から4階までらせん階段が光と風を通す。 周囲は書棚が取り囲み、明るい階段に腰掛けて読書していると図書館気分が味わえるそう。 スペースをフル活用し、1cmの無駄も出さないことにこだわった住まい。 以前のビルを知っている知人は、前より広くなったと驚いているそうだ。
河合建築デザイン事務所 京都府 建築家
目前の森を取り込んだ開放感溢れる家
アメリカ駐在を経て帰国するタイミングで住宅取得を検討した建主。 譲り受けたのは妻の実家だった土地で、建坪13坪。目の前が公園という景観を最大限に生かし、家族が最も長い時間を過ごすLDKに面積以上の開放感を生み出すプランを考えた。 敷地と道路の高低差60㎝を、難しい条件になりがちなところ、逆手に取って活かし、半地下・スキップフロア・中間階ロフトというアイデアで、必要な空間を確保する。 コスト面での調整として、システムキッチン・ユニットバスなど水回りの設備は、既製品を取り入れる事でクリアしている。
Studio R1 一級建築士事務所 神奈川県 建築家
条件を楽しむ、キャットタワーのような家
建て主の雰囲気をイメージしたポップな3階建て。 ほぼ正方形の屋内中央には、道路と並行に階段が貫く。 実は敷地は12坪しかない。 しかし建蔽率と容積率の高さから、家を建てるには十分と判断。 家づくりを楽しむ建て主ご夫妻は、制約をものともせず大胆な選択をしていった。 その結果、床や壁には普通は使わないような建材をふんだんに使用。 コストダウンを狙ったというより、好みに合うものを選択したらこうなった。 1階は玄関と駐車場、奥に書斎と浴室、2階はリビングと和室、3階はダイニングとキッチン、 その上部ロフトには寝室とデッキという間取り。 シースルーの階段がしぜんとフロアを二つに分け、圧迫感を感じることはない。 風通しがよく明るい階段を、愛猫が楽しそうに走り回る。
家族三世代を繋ぐ「ボルダリング壁」のリフォーム住宅
東京・杉並区の閑静な住宅街に建つ住まい。ここは施主夫妻と施主の両親、そして五人の子供、計9人が暮らす大家族の三世代住宅だ。 今回は施主の妻の要望と、子供たちのスペース確保の為のリフォームを計画した。両親は「1階和室は慣れているので変えないで欲しい」という事で、「住みながらリフォームをする」という選択となった。 計画はロフトと吹き抜けの設置、そして対面キッチン。両親の協力のもと、既存の家に住みつつリノベーションを図った。築35年の家は、まず2階部分を一新。3畳ほどの個室を長男と長女用にそれぞれ造り、さらに天井板を外して2階屋根裏にロフトを設置。次男と三男の居場所とした。 吹き抜けは採光と開放感を十分に取り入れた。そして玄関とダイニングの間に、個性的なボルダリング壁を設置した。子供たちは喜んで、階下と階上の昇降に使っているという。 キッチンは配管等で工事に時間がかかったが、既存のシステムキッチンをそのまま移設し、対面キッチンとした。他にフリースペース、鮮やかな壁が印象的のスタディースペースなどを配した。 「住みながらリフォームする」という、決して広くはない空間に最大限の開放感と明るさを十分に取り入れた住まいは、三世代を仲良く包み込む、暖かな家となった。
ふたつの屋根が個性的な部屋と空間を造る大和棟
奈良市の西方に建つ施主の家。家族は夫婦と子供、愛犬の構成だ。 機能的な諸室は勿論だが、どこか日本式なものを感じさせる住まいが望まれ、この地方独特の大和棟式の建築法を採用した。 地域特有のもののみならず、この住まいでは大屋根と下屋根を重なり合わせることで、諸々の部屋の用途を使い分けたものとなっている。ふたつの屋根がそれぞれに持つ、違った形のスケール感を生んだ住まいと言えるだろう。 棟を支える柱は敢えて設けず、外壁周りの柱と壁に載せかけるような形式を採用し、内部の大空間が生まれると同時に、屋根の存在感を際立たせた。 1階には大屋根の下の高い空間にあるリビング、ダイニング。その他の寝室などの部屋は、下屋根の空間にと異なるスケールによって、各部屋の個性的な空間が垣間見える。 また特に用途を決めていない自由な空間は、ふたつの屋根が折り重なる。両サイドの妻面からハイサイドライトで採光を確保し、屋根の反射によってやわらかな空間を生み出している。2階の両サイドのスペースは下屋根に沿って高さが揃えられた。 このふたつの屋根の折り重なりにより、日本式様式美を生み出すと共に、明るく吹き抜ける雲の上のような位置に建つかのような感覚だ。2階のこの場所からは、遠く若草山を望む事が出来る。
岩田章吾建築設計事務所 大阪府 建築家
折り曲がりの屋根が個性的な部屋を演出する別荘
富士山中腹に建つ別荘。 南側に富士山へと続く森がある。そこで屋根を富士山方向に敬礼するような、片流れの形式にすることからこの建物の設計が始まった。その一方、冬には1~2メートルもの雪が降る立地のため、1~2週間訪れない間に北側にあるエントランスに雪が落ちて埋まってしまう。 そこで片流れの短手勾配は変えずに長手方向に屋根の形状を折り込んでいくことで、雨や雪の落とし方をデザインした。 建物は南北に貫くセンターテラスを配し、母屋と離れに割った構成。屋根をこの上部で山型に折ることによって、玄関脇に雪を落とし、入り口が雪で埋まるのを防いでいる。谷状に折れる屋根は駐車場の脇に雪をまとめて、その近くに開けられた開口部の窓から、雨の日は谷に集まって落ちる雨を眺められる。 建物内は薪ストーブを中心としたラウンジ周りのワンルーム空間が中心となっている。天井の高さの変化や、折れ曲がりの屋根が現れることによって、薪ストーブの暖気の上がる「冬の室」となるロフトスペースと、「夏の室」となる奥の小上がりとを緩やか分節している。 トレッキングや自転車が趣味という施主の好みを反映した、スロープや段差も各所に設けられ、あたかも部屋の中にもうひとつの自然を感じさせる場所となっている。南側のロフトに上がる部分は母屋と離れを細長い空間で繋ぐと共に、屋根や床の線状の変化が感じられる仕組みだ。 原始的な「片流れ屋根」に、折り込むという操作を加えることによって、ありそうで見たことのない、古くて新しい建物のあり方を実現させた住まいとなった。
富永大毅建築都市計画事務所 東京都 建築家
リノベーションで光と風を手に入れた家
お子さんの小学校入学を機に新居を探していた建て主ご夫妻。 知り合いから紹介された閑静な住宅街にある土地には、古い家が建っていた。 建て替えも考えたが、費用の面からリノベーションを選択。 古い家に光と風を取り込み、生まれかわらせた。 細かく区切られていた1階の間取りは一新し、ひと続きの空間に。 2階は配置を変えず、1階に明かりを届けるすのこ廊下を設けた。 壁の漆喰をご主人が塗るなど、コストダウンと同時に楽しみながらの家づくり。 明るく風通しが良い家、木を使った内装などご夫妻の要望を取り入れつつシンプルな家が完成した。
有限会社ますいいリビングカンパニー 埼玉県 建築家
額縁の中に家族の風景、ひと繋がりの家
親世帯が住む母屋の庭に家づくりをすることにした建て主ご夫妻。 土間を作りたい、いろいろな場所でコーヒーを楽しめるようにしたい、という希望があった。 果樹や桜の木が生えている芝生の庭の豊かな自然をいかし、母屋と適度な距離に建物を配置。 外観は近隣に馴染みつつ、モダンな印象を与えるグレーのモルタルでシンプルなデザインに。 屋内はフレキシブルに使える土間を中心に、間仕切り壁を通して全体がつながる構造とした。 個室の集まりのような間取りは、役割を入れ替えても違和感なく使える可変的な構造。 間仕切り壁の立ち上がりには、腰かけたり可動式の板をレイアウトしたり自由に楽しめる。 ひと繋がりの空間が、変化する家族の生活をおおらかに受け止めていくだろう。
atelier cube 福岡県 建築家
古都の暮らしになじむモダンと伝統の家
世界遺産にもなっている、京都の社に隣接する敷地。 建て主の希望はもちろん森の眺めをいかすことだった。 意識したわけではないが、ライフスタイルや土地柄を考慮してデザインしていくと、自然に「和」のテイストが生じた。 素晴らしい眺望を得られるかわりに、周囲は京都の中でも景観に関する規則が厳しい。 屋根の勾配なども、規則に沿って細かく設定している。 これからも美しく続いていくであろう緑の景色を最大限に取り入れるため、2階は全面開口に。 広くはない敷地にあえて坪庭を設けたり、深い軒のある2階のデッキなど、伝統的な手法を取り入れて空間のつながりやゆとりを演出した。 家族を包む居心地の良い家は、社を訪れる人たちの目を楽しませる街並みの一部となった。
マニエラ建築設計事務所 兵庫県 建築家