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倉敷の古くて新しい和モダン住宅

倉敷の古くて新しい和モダン住宅

高梁川の東側にあたるこのエリアは、豊かな水に恵まれ昔から水田が拡がり、焼杉に漆喰壁の農家住宅が点在していました。近年幹線道路が整備され、市中心部へのアクセスが便利になったことにより、急速に住宅が立ち並ぶようになりました。この敷地は南北に住宅が迫っていますが、西側の土手方向には大きく拡がりがあり、この拡がりを住宅に取り入れることを端緒に設計を進めました。黒の下屋部分には水廻りを集め、また白の2層部分には各居室を集め、中央の吹抜け空間を介して南北明快に分けています。延床約28坪程度とやや小さめの住宅ですが、中央に大きな吹抜け空間を作ったり、各部屋をあまり間仕切らずに開放的な作りとすることで、28坪とは思えない程の拡がりを感じれるようにしています。外観はこのエリアに昔から佇む焼杉に漆喰壁の住宅の外観を踏襲し、歴史の延長線上に位置するデザインとしています。

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人々が集まる商店街の中の立ち寄れる「樹」の家

外観

東京都、西小山に事務所を構えて12年になる施主は、今回自身の事務所と住居を兼ねた住まいを建て替えることになった。 全国的に商店街という機能がなくなる現代社会において、この西小山でもその波は感じられる。都市の中で生命を持ち、商店街の中において地域の住民と溶け込み、想い出に残るような住まいを計画した。 建物は1階にオープンスペースを設けた。年代を問わず気軽に立ち寄れる商店街としての価値を見出したものだ。また工事期間中にワークショップを開催し、外壁となる銅板に桜の刻印を地域の子供からお年寄りまでの700名が参加し、その刻印を打って貰った。後々のこの建物に、年月と共に成長する姿としての建物を残したいとの想いだ。 建物本体も、自然から育つ木のイメージとした。核(コア)となる幹線を階段室とし、枝のように葉(フロア)が繋がる空間とした。地下室は木の根の部分を現すように柱槧をはわせ、同時に地上部の「木」を支えている。 生命感を与える印象のスキップフロアの採用、地上3階まで行くにつれ光の広がりを見せる構造は、あたかも天に昇るイメージを与えている。 経年しても成長を続ける木のように、建築としても「樹」のようなイメージのようなこの住まいは、地域の商店街の中で共に生き続けるものであるだろう。

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