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土間・縁側で包む町家リノベーション

土間・縁側で包む町家リノベーション

奈良市にある大正時代に建てられた住宅のリノベーション。建物は主に借家として用いられ、何度かの増改築を経て空き家になり放置されていました。雨漏りや蟻害によって柱・梁や土壁が深刻な被害を受けており、庭に増築された水廻りと伸び放題の樹木によって鬱蒼とした状況でした。建替えも検討しましたが、3面道路後退の影響で同規模の建物が建たないことや、お施主様が町屋に住みたいという強いご希望をお持ちだったことからリノベーションを選択しました。しかし土壁を耐震補強し伝統構法で修復するためには新築を超える時間や費用が必要です。また家全体を断熱補強・高気密化すると屋内と屋外が緩やかに繋がった町屋らしい雰囲気も壊れてしまいます。そのためコンパクトな居間を家の中心に据えて現代的な工法で耐震補強・断熱補強を行ない、その周りを玄関・収納・ガレージ・縁側・トイレ・書庫・階段から成る半屋外の「透き間」で囲んだ入れ子状の間取りとすることで、コストを押さえつつ、屋内・半屋内・屋外の3つの領域が重なり響きあうような、町家の雰囲気を引き継いだ住まいを設計しました。

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中庭が開放感を与える、ホテルライクな上質空間

リビング

世界中のラグジュアリーホテルを巡るのが趣味だという建て主ご夫婦。 これまで渡り歩いたホテルの中でも特に印象的だったというのが、ドイツにあるリゾートホテル。 木や石といった天然素材を使った、ヴィラのようなイメージを基本とした。 また、建て主のもう一つの要望は、プライバシーを守りつつも開放的にゆったりと暮せる家。 そこで、160坪と余裕のある敷地の中央に中庭を配し、庭を取り囲んだ”ロの字型”の平屋とした。 どの居室も窓を開け放てば庭と一体化し、贅沢な開放を感を味わうことができる。 最も日当たりの良い位置に配したLDKは、大人のための上質な空間。 梁を表した天井に、ブラックウォルナットや砂岩貼りの床、建具や収納にはチーク材を使用し、素材感のある落ち着いた雰囲気に。 自然素材をふんだんに使用した空間を、プロのコーディネーターが手掛けたモダンなインテリアが彩っている。 ラグジュアリーな空間に穏やかな時間が流れる、安らぎの住まいが完成した。

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