フローリングの板と板の間の隙間が気になることは無いですか?

 

ネットの質問サイトでも「隙間が2~3mmもあるが問題ないでしょうか?」のような投稿をよく見かけますので、今回は、フローリングの板と板の間に隙間が発生する原因について詳しくご説明します。

 

フローリングの含水率による影響

10年以上経過した無垢フローリング

10年以上経過した無垢フローリング

隙間の発生は、主に無垢フローリングによく見られます。

特に床暖房で無垢材のフローリングを使う場合は、木材の性質をよく理解した上で採用しましょう。

 

木材は、周囲の湿度の増減に伴って、室内の湿気を吸ったり吐いたりして湿度の調整を行います。

その過程で、膨張したり、収縮したりしする訳です。

 

少し専門的になりますが、木材には平衡含水率と呼ばれるものがあり、木材をある一定の温湿度下に放置し、水分の出入りが平衡状態になった時点の含水率を指します。

 

日本は南北に長いため、地域によってその環境湿度は異なり、室内の平衡含水率も変わってきますので、厳密にはその地域の環境に合わせた施工が必要となります。

 

例えば、含水率が8%程度まで乾燥させた無垢フローリングが一般的な日本の屋内の平衡含水率と言われる12%程度に落ち着くとすると、[含水率の差の4%]×[その木材の膨張収縮率]の分が伸びるということになります。

 

面積の広い体育館などに無垢フローリングを施工する場合は、このような計算を用いて伸びる分を見込んで隙間を開けて施工したり、端部に“逃げ”を設けます。

 

一般の住宅の施工では、面積が小さいので、ここまで厳密な計算は不要ですが、フローリング工事業者が無垢フローリングを施工する際に、名刺1~2枚(0.3mm程度)の隙間を空けたりするのは、施工したフローリングが伸びることを考えての事です。

 

このように、無垢フローリングは伸び縮みする性質がありますので、施工した後も冬場の乾燥する時期には隙間が空きますが、夏場の梅雨時など湿度の高い時期には、空いていた隙間がなくなったりします。

 

ただ、無垢フローリングとして一般的に流通している製品で隙間が2~3mmも空く原因が、無垢材の収縮の性質だけとは考えられないため、以下の原因などと複合的な場合もあります。

 

フローリングの規格や寸法による影響

床暖房で10年以上使用した床暖房対応フローリングの隙間

上の写真は、床暖房で10年以上使用した床暖房対応の無垢フローリングを冬場の乾燥時期に撮影したものです。

 

床暖房対応しているフローリングでもこの程度の隙間は空きますので、例えば、製品の規格で床暖房対応していないフローリングを床暖房に使用した場合は、さらに大きな隙間が空く可能性があります。

 

ホットカーペットやこたつなどを使用した箇所も、フローリングが乾燥して含水率が下がって隙間が空く原因になります。

 

あるいは、ラフな風合いを持ち味にしている製品で、表面の面取り部分を大きめにしていたり、寸法誤差が大きめのものもあります。

このような製品の場合は元々の含水率が高めのフローリングもありますので注意が必要です。

 

商品説明の規格や注意書きなどで、採用の際には製品の性質や使い方を理解しておく必要があります。

 

施工上の問題による影響

 

上記のケースにいずれも当てはまらず、具体的な原因が不明であれば、施工による原因も考えられます。

 

隙間が2~3mmもある場合は、製品の規格や寸法で該当する原因がなければ、施工時の隙間なのか、あるいは施工後の何らかの影響なのかなどの複合的な原因も考えられますので、施工業者さまと良くご相談いただく事をお勧めします。

 

 

 

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