- Like!
- 2
日常のスパイスになる、イタリアンテイストの家
日常生活を刺激するような、という意味で「アヤシゲな家」を求めていた建て主。
今日、日本で主流となっているミニマルな住まいとはある意味真逆の、ディティールにこだわりスケール感を持った、刺激的な住まいをつくった。
完成した住まいは、数字では表現できないような不思議な広がりを持っている。
平面の構成はそれほど複雑ではないが、複数の箱を組み合わせ、それらに少しずつ変化をつけることで広がりを演出。
光や素材のバランスを計算し、「何畳」「何平米」という‟数字”ではなく、”感じる”広さを表現した。
細部までこだわり尽くした繊細かつ力強い空間にしっくりと納まっているインテリアもまた、建築家が手掛けたもの。
造作家具やテーブル、チェア、照明に至るまで全て建築家がデザインしたオリジナルで、ソファはプロダクト化されている。
建築は家具も含め、インテリアまで設計するのものだというのが建築家の考え。
トータルコーディネートによって、完璧な統一感を持った住まいが実現した。
隅々にまでこだわりが行き届いた住まいで過ごす時間は発見と感動に満ち、住み手の感性を刺激し続けることだろう。
外観
複数の箱を重ねるように構成し、出隅や入隅で変化をつけた。
面積以上の広がりを感じるダイナミックな住まいとなったがさほど複雑な造りではない。
建物はL字型のように見えるが、道路側に突き出している棟が反対の庭側にも伸びているので、T字型の平面になっている。
アプローチ
アプローチを通って背の高い玄関扉を開けると、正面には玄関扉と全く同じ大きさの扉がもう一枚現れる。
その扉は庭へとつながる。
玄関ホール
玄関を入って右手には螺旋階段が。
トップライトからの光がホールへと落ち、さらに下からもライトアップされている幻想的な階段。
階段を囲うシリンダーは閉じることもできる。
螺旋階段
階段の踏板は繊細なデザイン。
トップライトからの光を透過させ、階下へ落とす。
リビングダイニング
家具や照明に至るまでトータルコーディネートされた統一感あるリビング・ダイニング。
ダイニングからリビングを見る
オリジナルデザインの照明が照らす。
素材使いや光の取り込み方、家具や照明などのインテリア、細部にまでこだわり独特の美空間を創り上げた。
リビング
テーブルのデザインは庭にもともとあった松をイメージ。
玄関扉の取っ手なども同じデザインにした。
ソファも建築家のオリジナルで、プロダクト化されている。
和室
建築家、建て主ともにこだわって創り上げた和室。
全面開口で庭と前面道路に開く。
四隅の丸いパイプによって、母屋から浮いているかのようになっており、浮遊感のある空間となった。
庭から和室を見る
庭側と玄関側の開口を全開にすると、アプローチから庭までひとつながりになる。
吹き抜け
リビングダイニングの吹き抜けの一部に設けた、浮いているかのような居室。
吹き抜けに面した壁の上半分は可動式になっており、開閉して通風をコントロールすることができる。
レッスンルーム
フラワーアレンジメントを教える教室として使う部屋。
和室の真上に位置しており、生徒は螺旋階段で玄関から直接上がることができる。
出窓
FRPとガラスを組み合わせたモザイク模様の出窓。
出窓
美しい出窓は、外から見ても建物のアクセントになっている。