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多目的な空間を持ち、暮らしの可能性を広げる家
隣家が近隣した地に建つ、黒い箱のような一軒の家。
開口を最小限に抑えた閉ざされた印象の外観だが、内部は従来の住まいにはない、思いがけない空間が広がっている。
立方体の建物の中に、大小様々な大きさの木の箱を積み上げるようにして各部屋を構成。
リビングとダイニングキッチン、和室がある1階、寝室と子供室、水回りがある2階、そしてロフトと、3層構造になっている。
各居室には建具を入れておらず、箱に設けた開口で全体が繋がる。
また、吹き抜けで1階からロフト部分までも繋がりトップライトから自然光が抜ける、室内というよりは庭のような開放的な空間となっている。
箱と箱の間の余白部分は幅の広い廊下として、また部屋として使うこともできる多目的なスペースに。
住み手の思うように空間を利用することができる。
”間取り”という概念は、この家には当てはまらない。
住空間の可能性を引き出す、新しい住まいの形がここにある。
外観
真っ黒の箱のような外観。
開口を最小限にとどめ小さく閉じた印象だが、中に入ると思いがけない空間が広がる。
廊下
大小、大きさの異なる木箱を積み上げるようにして空間が構成されている。
木箱のズレによって生じた余白部分は、幅の広い廊下としての役割を担っており、各部屋を繋ぐ通路となっている。
リビング
廊下部分より40cmほど床面を下げたリビング。
廊下では床となっている部分を、リビングではテレビボードとして、ベンチとして活用。
廊下からダイニングを見る
居室となっている箱には建具が設けられておらず、家全体が緩やかにつながる一体空間。
箱と箱の間の余白部分は、廊下でもあるが、マルチなスペース。
通路としてだけではなく、住み手のスタイルに応じて子供の遊び場にも、もうひとつのダイニングにも、中庭にもなる。
キッチン
リビングの開口からダイニング・キッチンを見る。
キッチンとダイニングは同じ箱の中にある。
キッチン&ダイニング
廊下部分の床面から83cm下がったキッチン&ダイニング。
廊下の床面は、ここではキッチンカウンターとしての役割を担う。
吹き抜け
幅広の廊下部分から頭上を見る。
ロフト部分を含めると3層の構造で、3階建て相当の高さがある。
最上階のロフトまで吹き抜けとなっていて、トップライトから光が入り、室内とは思えない開放感が。
”家の廊下”というよりは”路地”のようで、”家の中”というよりは”庭”のような印象。
2階
2階を見渡す。
箱が組み合わさって空間が構成されているのがよく分かる。
右の箱は寝室、左は子供室、正面には壁面収納と、水回りが。
2階テラス
2階南西のコーナー部分は、窓から光が差し込む、室内のテラスのような存在。
透明の床から階下の様子をうかがうこともできる。