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海を眺める別荘で過ごす贅沢な週末
広島県の尾道水道沿い、125坪の敷地に建つ、ウィークエンドハウス。
穏やかな瀬戸内海の景色を望み、夏には水上花火を間近に眺めることができる、絶好のロケーション。
普段は尾道市内に住んでいる建て主だが、友人たちと海を見ながら休日を過ごしたいと、この土地に別荘を構えた。
船の航行が多い尾道水道。
美しい海の眺望を獲得しつつも、どのように外からの視線を遮るかが課題となった。
そこで、海に対して平行ではなく、軸を約60度ずらして建物を配置。
海を行き交う船からの視線が直接入ることなく、水道のカーブに合わせて視界が導かれ、どこまでも海が続くかのような奥行ある眺望を得ることができた。
建物は4つの細長い箱を連立させた構成となっている。
それぞれの箱にLDK、エントランスホール、ゲストルーム、バスルームと異なる性質を持たせ、それぞれの海側にはテラスを配した。
幅や奥行は箱の用途に応じて決定。
屋根の勾配も箱ごとに変化をつけ、場所によって違った眺めを楽しむことができる。
海に臨む土地の魅力を最大限に引き出した住まいとなった。
海を望むリビング
海に向かって屋根を低くし、あえて開口部を絞り深い軒を設けたことで、外から中を見えにくくするとともに、中からは切り取ったような海の景色を楽しむことができる。
ロフトからリビングを見下ろす
屋根の傾斜によって自然と視線が海の方へ導かれる。
リビングはダークトーンで仕上げており、外から見えにくい。
床はノミで表面を削って味を出したスレート、壁はポーターズペイントでラフに仕上げ、自然素材の経年変化が楽しめる内装に。
テラス
LDKをはじめ、4つの箱にはそれぞれ海に面してテラスを設けた。
梁を表した天井、床、壁が外までそのまま続いているため、テラスと室内との一体感がある。
薪ストーブがあるリビング
デンマーク・SCAN社の薪ストーブが置かれたリビング。
壁に設けられた開口から見えるのは、エントランスを挟んで隣にある、ゲストルームのテラス。
ゲストルーム
大開口で海と接する、開放的なゲストルーム。
LDKとは反対に、海側に向かって屋根が高くなっている。
バスルーム
海を眺めながら入浴できるバスルーム。
屋根は海に向かって低くし、外からの視線を遮った。
引き戸の外側には木製ルーバー戸を設けており、引き戸を開け放っても視界を遮りつつ開放感を味わうことができる。
エントランス
海と空へと視線が抜けるエントランス。
正面の窓と屋根は全面ガラス張りで、外との境界がない開放的なエントランスホールとなった。
左手にはゲストルームが、右手にはLDKが。
エントランス
カーブを描いたクロマツと、高さのある飛び石がゲストを玄関へと導く。
海に面する南側から見た外観
4つの箱が連立しているのが分かる。
箱の用途に応じて、大きさや屋根の傾斜に変化をつけた。
中からは海の景色を存分に楽しむことができるが、海側から見ると、中の様子をうかがうことはできない。
道路に面する北側から見た外観
海に対して平行ではなく、軸をずらして建っている。
交通量の多い道路側に対しては、閉じた造りとなっている。
それぞれ傾斜の異なる4つの箱が、個性的なフォルムを作り出している。