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シンプルでコンパクトな都心の住まい

シンプルでコンパクトな都心の住まい

天井や壁に用いた曲線形、あえて上部をつなげた間仕切り壁、壁から天井まで一体となった厚みのある左官のテクスチャー、これらのエレメントが組み合わさり、障子窓からのやわらかい光が、はっとするような陰翳のグラデーションを生み出す空間になりました。

53㎡というコンパクトな面積ながら、曲線によってシームレスで繋がる壁と天井に、間仕切壁の上部から回り込む光が、空間に奥行きをあたえています。
一面バルコニーの住戸のため一方向のみからの採光ですが、室内に充ちる光の表情はとても豊かで、意図しなかったたくさんの景色や発見があり、見ていて飽きません。

マンション共用部となる窓には手を加えられず既存のままですが、開口を設計できる新築案件以上に光や風景がデザインされるという逆説的な結果は、今後にインスピレーションを与えるような新たな発見でもありました。

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ふたつの「庭」が海沿いの空から光を届ける家

東側外観

海の絶景と伝説地の石川県加賀市尼御前に建つ家。海沿いの町特有の敷地だが、高速道路に挟まれているうえ、西面以外は隣家が差し迫っている。 そのような環境で建てられた住まいは、光が取り入れられる西面に大きく開口部を設け、建物の北西部分と南東部分を隅切りし、ふたつの庭を設けた。 西面の高さを抑えつつ設けた開口部からは、高速道路越しに加賀の橋立を望む事が出来る。 隅切りで設けられた庭の北西部分は、隣接している親戚宅のサンルームへの光を妨げない仕組みになっている。反対側の南東部分の隅切りは、車3台分の駐車場を確保するためのスペースを兼ねたものだ。 このふたつの部分に設けられた庭によって、明るさを十分に取り入れ通気性も確保。プライバシーを保ちつつ、閉塞感の感じられない住まいを実現させた。 「庭」から光が溢れる2階部分はLDKをワンルームとし、天井は屋根の架構をそのままに生かした。梁の大きさを抑えつつ、垂木の架け替えによって庭の反射光をより優しく取り入れることが出来た。 1階部分はポーチ、テラス、玄関を中心とした造りとし、周りに寝室、仕事部屋を配し、よりよい動線を確保。 コンパクトにまとめられた住まいは海沿いの街並みと調和した造りとなった。 ふたつの「庭」によってもたらされたのは、展望や内外部だけではなく尼御前の伝説そのままの風景と空をも取り入れた住まいである。

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