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投稿記事
天井や壁に用いた曲線形、あえて上部をつなげた間仕切り壁、壁から天井まで一体となった厚みのある左官のテクスチャー、これらのエレメントが組み合わさり、障子窓からのやわらかい光が、はっとするような陰翳のグラデーションを生み出す空間になりました。
53㎡というコンパクトな面積ながら、曲線によってシームレスで繋がる壁と天井に、間仕切壁の上部から回り込む光が、空間に奥行きをあたえています。
一面バルコニーの住戸のため一方向のみからの採光ですが、室内に充ちる光の表情はとても豊かで、意図しなかったたくさんの景色や発見があり、見ていて飽きません。
マンション共用部となる窓には手を加えられず既存のままですが、開口を設計できる新築案件以上に光や風景がデザインされるという逆説的な結果は、今後にインスピレーションを与えるような新たな発見でもありました。
株式会社アオイデザイン aoydesign
神奈川県
建築家
- シナ合板
- タグをクリア
段差で繋がる、のびやかで包容力ある住まい
建て主世帯とその両親世帯が暮す、完全分離の二世帯住宅。 木造2階建ての1階を両親世帯、2階を、建て主ご夫婦と3人のお子様が住むスペースとした。 敷地面積約80坪、延床面積約46坪。 特に、子世帯の5人家族が暮す2階は約24坪と、限られたスぺース。 空間を有効活用し、3人の男の子がのびのびと過ごせる住まいが求められた。 そこで、2階全体を段差で繋がったワンルームの空間とするプランを採用。 入り口から奥に向かって段差を連ね、登り降りしながら進む奥行きある空間をつくった。 入り口を入ってまず1段上がったところに、ダイニングキッチン。 そこから1段上がったところにリビングがある。 さらにリビングから可動式の階段で数段降りたところには、プレイスペースとしても寝室としても利用できる、ファミリールームがある。 ファミリールームの上にはロフトがあり、ロフト上からはリビングダイニングが見渡せる。 家全体が緩やかに繋がり、どこにいても家族の気配を感じられる。 家中にある段差は、わんぱく盛りな男の子3人にとって恰好の遊び場となっている。 限られたスペースを最大限に活用し、こどもたちの成長を受け入れる、のびやかな住まいが完成した。
築50年の木造建築を改装した建築家の自邸
東京郊外の住宅地に建つ建築家の自宅兼事務所。 父が建て自身も子供の頃から暮してきた築50年超えの木造2階建てをリフォーム。 思い出を携えながら、さらにあと50年、安心して暮らせる住まいをつくった。 古い建物なので鉄筋は入っておらず、柱が細く腐朽も目立ち、構造的に問題が多かったが、これまで住んできた経験から構造の弱いであろうところは予想できた。 問題のある木部を入れ替え、1階の床は鉄筋入りのコンクリートで土間を打って補強した。 内装も仕上げ直した一方で、天井に現れている小屋組みは50年前のまま残した。 1階はオフィスと打ち合わせコーナー。 白を基調としたシンプルでシャープな空間とした。 2階はLDKと主寝室、子供室を配したプライベートなスペース。 天井と壁はグレーに塗装したシナ合板で、木目の表情が古い小屋組みと馴染む。 「古さ」や「思い出」と、「新しさ」や「未来」。 新・旧の魅力が織り交ざった住まいで、50年先を見つめながら新しい暮らしが始まっている。