タイルは、表面の釉薬(ゆうやく)の有無によって大きく分けることができます。
タイル表面に釉薬が施されたタイルを「施釉タイル」、釉薬が施されていないタイルを「無釉タイル」と呼びます。
無釉タイルが素地そのものの色になるのに対して、施釉タイルは表面の釉薬がタイルの色を作ります。
今回は、タイルの色や多様な表情をもたせる釉薬について詳しくご説明します。
釉薬とは?
釉薬(ゆうやく)は、「うわぐすり」とも呼ばれ、タイル焼く前に表面に塗るガラス質のものです。
無釉タイルでは表現する事のできない、色・色ムラ・ツヤ、光沢や味わいを表現します。
コーティングすることで表面からの吸水を防いだり、割れにくくしたり、汚れを付きにくくするといった清掃性に優れた実用的な役割も兼ねています。
どんな種類があるの?
釉薬には豊富な種類があり、区分の仕方もそれぞれです。
材料名や性質、焼成方法や温度によってなど、実に様々な区分方法がありますが、以下は代表的なものです。
上の区分に限らず、いくつかの釉薬を組み合わせたり、調合の具合によって全く違うバリエーションの釉薬もつくられています。
釉薬の表情の違いを見てみよう!
釉薬を掛ける回数やタイルの面状の違いによっても、その表情や深みが違ってきます。
釉薬は種類の組合せだけでなく、素地の面状との相性や焼成温度、成分による化学変化の偶然の効果などによって、その表情は無限に広がります。
以下は、釉薬の技法を駆使して表現されたタイルのほんの一例です。
釉薬は何からできているの?
釉薬は、素地の粘土と成分が似ているため、タイルと一体化しやすくなっています。
釉薬はどのように作るの?
釉薬を作るための調合はとても繊細な作業です。
希望通りの色を一回で作ることは大変難しく、通常はサンプル製作などで何度も微調整を行いながら色を決定します。
左側はサンプル製作する工程で、右側は決まった色を荷口生産(ロット生産)する工程です。
タイルを意匠性の高い建材にする大きな役割を果たす釉薬には、専門の会社が存在するほど奥の深い分野です。
多種多様のタイルは、このような釉薬の種類や技法で生み出されいます。