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投稿記事
高梁川の東側にあたるこのエリアは、豊かな水に恵まれ昔から水田が拡がり、焼杉に漆喰壁の農家住宅が点在していました。近年幹線道路が整備され、市中心部へのアクセスが便利になったことにより、急速に住宅が立ち並ぶようになりました。この敷地は南北に住宅が迫っていますが、西側の土手方向には大きく拡がりがあり、この拡がりを住宅に取り入れることを端緒に設計を進めました。黒の下屋部分には水廻りを集め、また白の2層部分には各居室を集め、中央の吹抜け空間を介して南北明快に分けています。延床約28坪程度とやや小さめの住宅ですが、中央に大きな吹抜け空間を作ったり、各部屋をあまり間仕切らずに開放的な作りとすることで、28坪とは思えない程の拡がりを感じれるようにしています。外観はこのエリアに昔から佇む焼杉に漆喰壁の住宅の外観を踏襲し、歴史の延長線上に位置するデザインとしています。
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“アクリル壁”によって外部と一体化した「透明な家」
広島県の山間部にある9m四方の住まい。 柱はなく、四方は全て厚さ40mm、高さ2メートルの透明なアクリル板のみの構造である。 ガラスより透明度が高く、低熱伝導率もあるアクリル板によって視線を一切遮らない、まさに「透明な家」。 大学で建築を学んだこともある施主のAさんの希望は「周辺環境を活かした透明感のある家」。 そこで計画されたのが、この屋根だけが架かり、日常家具が点在する環境と日常が交錯する住まいだった。同時に、住宅としての快適さも追求された。 四方をアクリル板とし、直射日光が入らないように屋根の張り出しを天井高とほぼ同じ2メートルに設定。室内はワンルーム空間であるが、正方形の平面の四隅を掘り込み、物が散らかりやすいリビングやキッチンなどを配し、床下収納を設けた。 地上の室内を巡る曲面のフェンスは、透明性をより意識させるだけではなく、彫り入れの半地下スペースに落下しないための間仕切りも兼ねている。 この建物の敷地が下に丘、上からは屋根によって視線をコントロールするだけではなく、Aさんの両親が所有する土地の一角であるため、人目が少ないことも、この住まいを支えている。 日常で、内部で行われる食事や睡眠は、外部空間ではより心地良い。外で暮らすような感覚。それがこのアクリルという壁で完成された「透明な家」だからこそ感じるものとなった。