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土間・縁側で包む町家リノベーション

土間・縁側で包む町家リノベーション

奈良市にある大正時代に建てられた住宅のリノベーション。建物は主に借家として用いられ、何度かの増改築を経て空き家になり放置されていました。雨漏りや蟻害によって柱・梁や土壁が深刻な被害を受けており、庭に増築された水廻りと伸び放題の樹木によって鬱蒼とした状況でした。建替えも検討しましたが、3面道路後退の影響で同規模の建物が建たないことや、お施主様が町屋に住みたいという強いご希望をお持ちだったことからリノベーションを選択しました。しかし土壁を耐震補強し伝統構法で修復するためには新築を超える時間や費用が必要です。また家全体を断熱補強・高気密化すると屋内と屋外が緩やかに繋がった町屋らしい雰囲気も壊れてしまいます。そのためコンパクトな居間を家の中心に据えて現代的な工法で耐震補強・断熱補強を行ない、その周りを玄関・収納・ガレージ・縁側・トイレ・書庫・階段から成る半屋外の「透き間」で囲んだ入れ子状の間取りとすることで、コストを押さえつつ、屋内・半屋内・屋外の3つの領域が重なり響きあうような、町家の雰囲気を引き継いだ住まいを設計しました。

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木造住宅の自由性を生かしたリノベーション

リビング

都心に建つ築30年の中古住宅をリノベーションした、建築家の自邸。 既存の建物は小ぶりな木造2階建てで、南側には小さな庭があった。 仕事場にもなる書斎や、さらに同居する母のためのスペースを確保しようとすると、家のボリュームが大きくなる事が考えられる。 近隣には民家が建ち並んでおり、隣家に圧迫感を与えないよう、ボリュームを抑えつつも広がりのある住まいを目指した。 そこで、柱や梁を切ったり繋いだりと自由に改築できるという木造住宅の特長を活かしたプランに。 既存の家の屋根から外壁までを、まるでりんごの皮を剥くように一部分切り取り、南側に細長い2階建ての棟を新設。 既存部の北側は2階建てのまま残し、南側は基礎から屋根裏まで吹き抜けの「室内庭」にした。 外から見ると、3つの小さな棟が並んでいるように見える。 3つの空間の間はガラスのスリットでつなぎ、光や視線が通るように。 室内庭は光や風を住まいにもたらすとともに、南側新設部にある母のスペースとの緩衝エリアとなっている。 家を‟切り離す”という木造住宅ならではのプランで、周囲の家並みに合わせつつ、住み手のライフスタイルに合った住まいが完成。 空間を小さく分けることによって、かえって広がりのある空間が実現した。

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miCo. 東京都   建築家